マンション売却ガイド

ワンルームマンション売却の6ステップと費用・期間・高く売るコツを徹底解説

ワンルームマンションの売却は、査定から決済まで半年前後かかるのが一般的です。途中で何度も「これで本当にいいのか」と迷う場面がありますが、全体像を先に押さえておくと判断ミスがぐっと減ります。本記事では売却の流れ・費用・高く売るコツ・やりがちな失敗までを順に見ていきます。また、「家賃と管理費のバランス」や「空室と入居中、どちらで売るか」という、ワンルームマンション特有の判断ポイントについても丁寧に整理します。

ワンルームマンションを売却する流れ

売却する流れ

ワンルームマンションの売却は、以下のステップで進めます。

  1. 査定|売却相場を把握する
  2. 売却方法を決める|仲介・買取のどちらか
  3. 媒介契約を締結する|仲介不動産会社との契約
  4. 売却活動を開始する|マイソク作成や買主探しなど
  5. 売買契約を結ぶ|重要事項説明や契約不適合の取り決めなど
  6. 決済・引渡し|所有権移転登記などの重要手続き

なお、買取を選ぶ場合は③④をスキップでき、より短期間で完了します。

①査定|売却相場を把握する

最初に、現時点の想定売却価格を把握します。査定にはWEB査定(オンラインで30秒〜数分で結果が出る)、机上査定(不動産会社が物件情報をもとに算出)、訪問査定(物件を直接確認)の3種類があります。

ワンルームマンションの場合、内覧を行わないケースが多いです(内覧があるのは実需向けの居住用マンションや、自分が住むための賃貸物件)。投資用ワンルームは入居中での売却(オーナーチェンジ)が多く、買主は数字(家賃・利回り・銀行評価)で判断するため、室内を見せる必要がありません。WEB査定や机上査定で十分に売却検討を進められます。詳しい売却相場の確認方法についてはワンルームマンションの売却相場はいくら?エリア・築年数別の調べ方と判断基準を徹底解説の記事をご覧ください。

②売却方法を決める|仲介・買取のどちらか

査定額をもとに、仲介か買取のどちらで進めるかを決めます。

  • 仲介|市場価格を狙う場合:3〜6か月かけて市場価格で売却する方法。売買価格が400万円を超える物件では、「売却価格×3%+6万円+消費税」を上限とする仲介手数料が発生します。
  • 買取|早期現金化したい場合:1〜4週間で現金化できますが、価格は市場の70〜90%となるケースが多いです。買取の場合、媒介契約や売却活動は不要なため、③④をスキップして⑤に進めます。

なお、ワンルームマンションでは「仲介=必ず高く売れる」「買取=必ず安い」とは限りません。売却方法について詳しく知りたい方は、投資用マンションの仲介と買取の違いは?価格・期間・手数料で徹底比較もあわせてご覧ください。

③媒介契約を締結する|仲介不動産会社との契約

仲介を選ぶ場合、不動産会社と媒介契約を結びます。媒介契約には3種類があり、それぞれメリット・デメリットがあります。

種類 特徴 メリット デメリット
専属専任媒介 1社のみに依頼。売主自身で買主を見つけることも不可 1社が責任を持って販売活動。レインズ登録義務(5営業日以内)。報告義務(1週間に1回) 他社に依頼できない
専任媒介 1社のみに依頼。売主自身で買主を見つけることは可能 1社の販売活動に集中できる。レインズ登録義務(7営業日以内)。報告義務(2週間に1回) 他社に依頼できない
一般媒介 複数社に依頼可能 複数社で競合させられる レインズ登録義務・報告義務がない

投資用ワンルームでは、業者内に情報が出回ることにより価値が下がる場合があります。そのため、信頼できる1社に専任媒介で依頼する方が、結果的にトータルの手取り額が大きくなるケースもあります。

④売却活動を開始する|マイソク作成や買主探しなど

媒介契約が完了したら、売却活動を開始します。不動産会社・売主が対応する業務は、それぞれ以下のとおりです。

  • 不動産会社が対応する業務:マイソク作成、レインズ登録、不動産ポータルサイトへの掲載、買取業者への打診、買主との価格交渉。
  • 売主が対応する業務:レントロール(家賃入金実績)の準備、修繕履歴・管理規約の整理、固定資産税の納税通知書の準備。

投資用ワンルームの場合、実需マンションのような内覧対応はほぼ発生しません。買主は数字で判断するため、レントロールや修繕履歴といった「数字で評価できる材料」を整えておくことが、価格に直結します。

⑤売買契約を結ぶ|重要事項説明や契約不適合の取り決めなど

買主が決まったら、重要事項説明・売買契約の締結に進みます。手付金(売買価格の5〜10%が一般的)の受領、契約不適合責任の範囲、引き渡し時期、賃料の精算方法などを契約書で取り決めます。

⑥決済・引渡し|所有権移転登記などの重要手続き

決済当日は、残代金の受領、ローンの一括返済、抵当権抹消登記、所有権移転登記、鍵と書類の引渡し、賃料・管理費の日割り精算までを同時に行います。司法書士が立ち会うのが一般的です。

ワンルームマンションの売却にかかる期間の目安

期間の目安

売却完了までの期間は、仲介か買取かで大きく異なります。

売却方法 期間目安 内訳
仲介 3〜6か月 査定〜媒介契約:1週間/販売活動:1〜3か月/契約〜決済:1〜2か月
買取 1〜4週間 査定〜買取契約:数日〜1週間/契約〜決済:1〜3週間

期間を左右するボトルネック

  • 買主の融資審査期間(仲介の場合、買主が銀行融資を組むのに1〜2か月かかる)
  • 抵当権抹消の手続き調整(金融機関との事前協議が必要)
  • サブリース契約の解約手続き(解約予告期間6か月程度のケースが多い)

サブリース契約付きの物件は、解約予告期間の関係で売却までに半年近くかかるケースもあるため、売却検討を始めた段階で管理会社へ確認しておきましょう。

ワンルームマンションの売却にかかる費用と税金

費用と税金

ワンルームマンションの売却にかかる主な費用と税金は以下のとおりです。

項目 金額目安
仲介手数料 売却価格の3%+6万円+消費税(仲介の場合のみ)
印紙税 1万円程度(売却金額により変動)
抵当権抹消登記 不動産1件につき1,000円+司法書士報酬1〜3万円
譲渡所得税 譲渡所得の20.315%(長期)または39.63%(短期)

仲介手数料は仲介で売却する場合のみ発生する費用で、買取では不要です。表中の「売却価格×3%+6万円+消費税」は売買価格が400万円を超える場合に適用され、400万円以下の物件では別の料率が適用されます。

譲渡所得税は売却益(譲渡所得)が出た場合のみ発生し、所有期間に応じて税率が変わります。詳しくは、投資用マンションの売却にかかる税金はいくら?2026年の最新ルールと節税・確定申告のポイントの解説も参考にしてください。

売却後の手取り額シミュレーション|売却価格2,340万円のケース

以下では、ワンルームマンションを実際に売却した場合の手取り額をシミュレーションしてみましょう。前提は、購入価格2,180万円(建物1,090万円/土地1,090万円)、所有10年(長期譲渡)の場合です。

売却価格2,340万円
仲介手数料約83.8万円(2,340万円×3%+6万円=76.2万円、消費税10%込み)
印紙税1万円
抵当権抹消費用3万円(登録免許税+司法書士報酬)
譲渡所得税約64.2万円(譲渡所得316万円×20.315%、減価償却累計約240万円考慮)
手取り2,340万円 − 83.8万円 − 1万円 − 3万円 − 64.2万円 ≒ 約2,188万円

ローン残債がある場合は、ここからさらに残債額を差し引いた金額が手元に残ります。

ワンルームマンションを少しでも高く売るコツ

高く売るコツ

ここでは、ワンルームマンションを少しでも高く売るための実務的なコツを整理します。

信頼できる不動産会社にじっくり相談する

「最低3社以上に査定依頼」というセオリーは、実需マンションでは有効ですが、投資用ワンルームでは慎重さが必要です。投資用マンションは、業者内に情報が出回ることにより価値が下がる場合があります。そのため、何社にも同時に相談するのではなく、信頼できる1社にじっくり相談するアプローチの方が、結果的に高値で売れるケースがあります。

ただし、最初の相手選びを誤ると不利な条件で売却してしまう可能性があるため、相手の選び方には注意が必要です。投資用マンションの取り扱い実績、買取と仲介の両方に対応できるか、過去の売却事例で売主にどんなフィードバックがあるかを確認しましょう。

適切なタイミングで売却する

ワンルームマンションの売り時は、以下の要素で判断します。

  • 所有期間が5年(売却年の1月1日基準)を超えているか(長期譲渡で税率が下がる)
  • 家賃水準が上昇基調にあり、銀行評価が伸びているか
  • 金利上昇局面に入っていないか
  • 管理費・修繕積立金の値上げが直近で予定されていないか
家賃と管理費のバランスに注意

家賃は近隣相場の伸びに合わせて少しずつ上昇することもありますが、管理費・修繕積立金は基本的に上昇するのみで、下がることはまずありません。「もう少し家賃が上がってから売ろう」と待っているうちに、管積の値上げで実質キャッシュフローが悪化し、結果的に早く売る方が手取りが大きかった、というケースは実務でも多く見られます。

売却のタイミングについて詳しく知りたい方は、投資用マンションの売却タイミングはいつが正解?何年目に売るのが最適かを解説をご覧ください。

物件情報を整理してアピールポイントを作る

レントロール(家賃入金実績)、修繕履歴、管理規約、長期修繕計画、近隣家賃相場の資料などを整理しておきます。投資用ワンルームの買主は数字で判断するため、これらの材料を揃えることが価格交渉で有利に働きます。

オーナーチェンジか空室、有利な方で売る

「入居中(オーナーチェンジ)の方が安定収入で高く売れる」という一般論はありますが、ワンルームマンションでは必ずしも当てはまりません。

  • 入居中(オーナーチェンジ)が有利なケース:家賃水準が市場相場より高めで安定している。買主は利回りで評価する。
  • 空室が有利なケース:広めのワンルームや好立地物件で、再賃貸付け時に家賃を引き上げられる見込みがある。実需転用も可能な立地条件。

昨今はインフレ局面で家賃水準が上昇傾向にあり、入居中の固定家賃よりも、空室にして再賃貸付けで家賃を引き上げた方が、結果的に高く売れるケースも増えています。サブリース契約付きの場合は、解約後に空室で売り出す選択肢も含めて検討しましょう。

ワンルームマンション売却の注意点|失敗・損しないためのコツは?

注意点

最後に、ワンルームマンション売却で陥りやすい失敗を整理します。

価格設定を高くし過ぎない

投資用ワンルームは、基本的には銀行評価以上では売れません。強気の売出価格にすると、買主が現れず長期化し、保有期間中の管理費・ローン返済で実質の手取りが目減りします。査定額の中央値を参考に、現実的な価格設定をしましょう。

媒介契約の種類を理解しておく

専属専任・専任・一般の違いを理解せずに契約すると、後で「他社に相談したくてもできない」「販売状況が報告されない」といったトラブルにつながります。投資用ワンルームでは、信頼できる1社に専任媒介で依頼するスタイルが現実的です。

仲介任せにしない

媒介契約後も、定期的に進捗確認をすることが大切です。レインズ登録の有無、広告掲載状況、問い合わせ件数を月1回は確認しましょう。

書類・情報整理を適切に準備する

購入時の書類(売買契約書、ローン契約書、登記関連書類)、管理規約、修繕履歴、過去の確定申告書(譲渡所得の計算に必要)を早めに揃えておきます。決済直前に書類が見つからずバタバタする、というのは投資用マンション売却でよくあるトラブルです。

売却後は確定申告を忘れずに行う

売却翌年は、原則として2月16日〜3月15日の確定申告期間に、譲渡所得の確定申告が必要です。譲渡益が出ていれば必須、譲渡損でも他の不動産譲渡益との内部通算のために申告するメリットがあります。詳細は投資マンションの売却後に確定申告は必要?の記事をご覧ください。

ワンルームマンション売却の第一歩は「価格を知ること」から

価格を知ることから

ワンルームマンションの売却検討は、まず現在の想定売却価格を知ることから始まります。

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ワンルームマンション売却に関するよくある質問

よくある質問

ワンルームマンション売却に関する、よくある質問にお答えします。

Qワンルームマンションはローン残債があっても売れる?
A

可能です。売却代金で一括返済し、抵当権を抹消する流れが一般的です。残債が売却価格を上回るオーバーローンの場合は、自己資金での補填が必要となります。

Qワンルームマンションは住みながら売れる?
A

投資用ワンルームは通常、賃貸中(オーナーチェンジ)での売却が大半です。自己使用している場合の売却も可能ですが、内覧対応の負担が増える点に注意が必要です。なお、オーナーチェンジ売却では基本的に内覧は発生しないため、現入居者への影響は少ないです。

Q管理会社との契約は誰がいつ解約する?
A

決済・引渡し日に合わせて管理会社へ解約通知を出します。管理委託契約では解約予告期間が1〜3か月のケースが多く、サブリース契約では6か月以上のケースもあるため、契約内容を必ず事前確認してください。

Q売却時の賃料精算はどう計算する?
A

決済日を境に日割り計算し、決済日以降の賃料は買主に引き継がれます。管理会社の家賃送金タイミングと調整が必要です。当月分の家賃がすでに売主の口座に振り込まれている場合は、決済時に日割り計算して買主に渡します。

まとめ

まとめ

ワンルームマンションの売却は「査定→媒介契約→売却活動→売買契約→決済」の流れで進み、仲介なら3〜6か月、買取なら最短1〜4週間が目安です。投資用ワンルームは買主が数字(家賃・利回り・銀行評価)で判断するため内覧はほぼ発生せず、何社にも同時に相談するより信頼できる1社にじっくり相談する方が良い結果になるケースもあります。

「家賃が上がるのを待つ」うちに管理費・修繕積立金の値上げで収支が悪化することもあるため、売り時を逃さないことが手取りを大きくするポイントです。

【免責表記】本コラムは情報提供を目的としたものであり、特定の不動産の売買・投資を推奨するものではありません。税制・法令は2026年4月時点の情報に基づいており、今後改正される可能性があります。実際のお取引・税務申告にあたっては、専門家にご相談ください。

 

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