マンション売却ガイド

中古マンションの売却相場は今いくら?投資用の築年数別の目安と売り時を解説

中古マンションの売却相場は、物件の築年数や立地によって大きく異なりますが、投資用マンションの場合は「収益性」と「融資評価」が価格を左右する重要なポイントです。実需向けマンションのように室内の状態や住み心地だけで評価されるわけではなく、現行賃料や利回り、銀行評価をもとに投資家や買取業者が価格を判断します。

また、築年数が進むと価格が下がり続けるとは限らず、エリアによっては賃貸需要や家賃水準が維持されることで相場が安定するケースもあります。一方で、金利動向や修繕費の上昇、融資環境の変化によって売却価格が影響を受けることも少なくありません。

本記事では、中古マンションの売却相場の考え方や築年数別の価格目安、相場を左右する要因を解説します。あわせて、今が売り時かどうかを判断するポイントや、高く売却するための考え方もわかりやすく紹介します。

中古投資用マンションの売却相場の最新動向

家賃・利回り・銀行評価から見る中古投資用マンションの売却相場の最新動向のイメージ
中古投資用マンションの相場は、「家賃・利回り・銀行評価」の3点から見ると全体像をつかみやすくなります。実需向けの相場感だけで判断すると、収益性や融資の付きやすさを見落としやすい点に注意が必要です。

成約価格・利回りの推移

中古マンションの成約価格は、首都圏を中心に長く上昇基調が続いてきました。直近では、首都圏の中古マンションの平均成約価格は、2026年5月に5,067万円(成約㎡単価80.78万円)となり、前年同月比で下落しました。㎡単価が前年同月を下回るのは2020年4月以来で、長く続いた上昇が一服する動きもみられます。 投資用ワンルームに目を向けると、価格が上がる一方で利回りは下がりやすい傾向があります。たとえば、都心部の中古ワンルームでは、賃料の上昇が価格の上昇に追いつかず、表面利回りは低下傾向が続いてきたとされます。実際の数値はエリア・物件によって幅があるため、自分の物件についても個別に確認するのが安全です。

東日本不動産流通機構 月例速報 Market Watch サマリーレポート(2026年5月度)国土交通省 不動産価格指数

新築価格の高騰が中古相場を押し上げている

近年は建築費や人件費の上昇を背景に新築マンションの価格が大きく上がり、相対的に割安感のある中古へ需要が向かいやすい構図になっています。新築に手が届きにくくなった層や投資家の需要が中古に集まることで、中古相場が下支えされてきた面があります。ただし、金利の動向や供給状況によって需給は変わり得るため、この押し上げが今後も同じように続くとは限らない点は押さえておきたいところです。

築年数別の中古投資用マンション売却相場

築年数別に中古投資用マンションの売却相場を整理するイメージ
中古投資用マンションの相場は、築年帯によって価格の下がり方と融資の付きやすさが変わります。RC造の法定耐用年数47年を基準に、残存年数が短いほど買主の借入年数が制限され、価格や流動性に影響しやすくなります。 首都圏の中古マンションの平均成約㎡単価は86.26万円(2026年1〜3月期)ですが、東京都区部137.96万円〜千葉県41.44万円とエリア差が大きく、㎡単価が判断の指標になります。投資用ワンルームも総額は小さいものの、㎡単価はこのエリア傾向と連動しやすいと言われています。 次に、築年帯別の傾向を早見表で整理し、各築年帯の相場を見ていきます。
築年帯 成約㎡単価の目安 価格水準の傾向 法定耐用年数の残存(RC47年基準) 買主の融資の付きやすさ 利回りの傾向
〜築10年 約132〜144万円 高めで安定しやすい 約37年以上 付きやすい傾向 低め〜中位で安定
築10〜20年 約99〜114万円 下落が緩やかになりやすい 約27〜37年 比較的付きやすい 中位
築20〜30年 約64〜86万円 融資年数の制限が出始める 約17〜27年 金融機関により差が出やすい やや高め
築30年超(旧耐震含む) 約40〜48万円 流動性・価格が下がりやすい 約17年未満/旧耐震は対象外も 付きにくく現金購入層が中心 高めだが買主は限られやすい

法定耐用年数はRC造47年を基準とした目安です。実際の融資条件・価格はエリア・物件の状態・金融機関の方針によって異なります。旧耐震基準は1981年(昭和56年)5月31日以前に建築確認を受けた建物が目安となります。

〜築10年|銀行評価・利回りともに安定

築10年以内の物件は、法定耐用年数の残存が長く買主が長期の融資を組みやすいため、銀行評価の評価材料になりやすく、流動性も比較的高い傾向があります。設備の劣化や大規模修繕の負担もまだ大きくなりにくく、価格が安定しやすい帯といえます。 一方で取得時の価格も高いため、表面利回りは低めにとどまりやすい点は理解しておきたいところです。首都圏の中古マンション全体では、成約㎡単価は築0〜5年で約144万円、築6〜10年で約132万円が目安です(2025年)。

築10〜20年|価格下落が緩やかになる帯

新築時からの値下がりが一巡し、価格の下がり方が緩やかになりやすいのがこの帯です。耐用年数の残存もまだ確保しやすく、買主の融資が比較的付きやすいため、需要も期待されやすくなります。設備更新や修繕積立金の動向を確認しておくと、相場感をより具体的に把握しやすくなります。成約㎡単価は築11〜15年で約114万円、築16〜20年で約99万円と、〜築10年から一段下がる水準です(首都圏・2025年)。

築20〜30年|耐用年数の残存に注意が必要な帯

RC造の法定耐用年数47年に対して残存が縮み、買主が組める融資年数が制限され始めるのがこの帯です。融資年数が短くなると毎月の返済負担が増え、買える層が絞られるため、価格や流動性に影響が出やすくなります。金融機関によって耐用年数の扱いが異なるため、どの層の買主に届けるかが相場を左右しやすくなります。成約㎡単価は築21〜25年で約86万円、築26〜30年で約64万円と、融資年数の制限が出始める帯にかけて下がります(首都圏・2025年)。

築30年超|買主の融資が付きにくく、価格・流動性に影響する可能性あり

築30年を超え、特に旧耐震基準の物件は、融資の対象としにくい金融機関が増え、現金購入層が中心になりやすい傾向があります。買主が限られることで、価格や流動性が下がりやすい点には注意が必要です。一方で、立地や賃貸需要が強い物件は一定の需要が見込めるケースもあるため、立地条件とあわせて判断するのが現実的です。成約㎡単価は築31〜35年で約44万円と、築浅のおよそ3分の1の水準まで下がります(首都圏・2025年)。

東日本不動産流通機構 季報 Market Watch(2026年1〜3月期)東日本不動産流通機構 REINS TOPIC「築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2025年)」

中古投資用マンション相場の調べ方

利回り・公的データ・WEB査定で中古投資用マンションの相場を調べるイメージ
中古投資用マンションの相場は、収益性・公的データ・査定の3つの角度から確認すると、精度を高めやすくなります。ここでは、自分でできる調べ方を順に整理します。

利回りから逆算する

投資用マンションの価格は、年間家賃を想定利回りで割り戻すことでおおよその目安を出せます。たとえば、年間家賃が120万円で、周辺の想定利回りが5%なら、120万円 ÷ 5% = 2,400万円が一つの目安になります。想定利回りはエリア・築年数・賃貸需要で変わるため、近隣の売り出し事例とあわせて幅をもって見ておくとよいでしょう。

WEB査定で把握する

より手軽に想定価格を知りたい場合は、WEB査定の活用が便利です。FANTAS checkのWEB査定依頼なら、オンライン入力で投資用マンションの想定売却価格の目安を確認でき、収益還元で出した数字の答え合わせにも使えます。複数の調べ方を組み合わせることで、相場観のズレに気づきやすくなります。

過去の取引データを参考にする

周辺で実際に成約した価格を公的データで確認すると、収益還元で出した価格の裏付けとして使えます。国土交通省の「不動産情報ライブラリ」では、エリアや時期で絞り込んで成約価格の傾向を確認できます。一次情報を確認しておくことで、提示された査定額の妥当性も検討しやすくなります。

国土交通省 不動産情報ライブラリ

中古投資用マンションの相場を左右する要因

立地・賃貸需要・利回りなど中古投資用マンションの相場を左右する要因のイメージ
中古投資用マンションの価格は、立地などの基本的な要因に加えて、中古ならではの要因によっても差が生まれます。主な要因を順に見ていきます。

立地・賃貸需要

駅からの距離や周辺の賃貸需要は、空室リスクを通じて想定家賃や利回りに影響し、最終的に価格に反映されます。賃貸需要が安定しているエリアは家賃が下がりにくく、価格の下支え材料になりやすい傾向があります。逆に需要が弱いエリアでは、想定家賃が保守的に見積もられ、評価が伸びにくくなる場合があります。

現行賃料・再賃貸付け時の想定賃料

現在の入居者の賃料が相場より低い、あるいは高い場合、退去後に募集し直すときの想定賃料が価格評価に影響します。長期入居で賃料が据え置かれている物件は、退去後に賃料が下がる前提で評価されることもあります。現行賃料と再募集時の想定賃料の両方を踏まえて見ておくと、評価のブレを抑えやすくなります。

現在の利回り

築年数の経過にともない管理費や修繕積立金が上がると、家賃から経費を差し引いた手取りの利回りが下がり、価格評価に響きやすくなります。表面利回りだけでなく、経費を考慮した実質的な利回りで見ることが大切です。修繕積立金の改定予定なども、重要事項調査報告書などで確認しておくと判断材料になります。

現在の入居状況

入居中(オーナーチェンジ)の物件は家賃収入込みで評価されやすく、収益が読みやすい点が買主からの評価材料になりやすい傾向があります。一方、空室の物件は価格交渉につながりやすい面がありますが、購入後に自分で賃料を設定できる点を評価する買主もいます。入居状況によって響く相手が変わるため、どちらが有利かは物件や買主層によって異なります。

【要注意】買主の融資条件が価格に影響するケースもある

買主の融資条件が価格に影響するケースもある 容積率超過などの既存不適格、一部の金融機関が融資対象としない建物管理会社、耐用年数切れといった要因があると、買主の銀行評価が伸びにくくなることがあります。こうした構造的な要因は室内のきれいさとは関係なく、価格や買い手の幅に影響しやすい点に注意が必要です。該当しそうな場合は、早めに資料を確認し、対応できる買主層を見極めておくと安心です。

相場を踏まえた中古投資用マンションの売り時の判断

家賃・金利・所有期間・築年数の節目から中古投資用マンションの売り時を判断するイメージ
売り時は、家賃水準・金利・所有期間・築年数の節目を組み合わせて判断すると、現実的な見通しを立てやすくなります。特に所有期間は、売却した年の1月1日時点で5年を超えているかどうかで税率が変わるため、節税の観点でも重要な目安になります。

中古投資用マンションを早く売るべきケース

家賃が頭打ちになる一方で管理費・修繕積立金が上がり続ける局面では、耐用年数や旧耐震の節目を迎える前に売る方が、手残りが大きくなるケースもあります。築年数が進むほど買主の融資が付きにくくなり、価格や流動性が下がりやすくなるためです。ただし、家賃水準や金利の動向によって最適なタイミングは変わるため、複数の要素をあわせて判断するのが現実的です。緊急性がなければ、所有5年超(売却年の1月1日基準)まで待ってから売ることで税負担を抑えやすくなる点も踏まえて検討しましょう。

中古投資用マンションの相場を手軽に知る第一歩はWEB査定から

WEB査定で中古投資用マンションの相場を手軽に知る第一歩のイメージ
売り時や価格の判断は、まず現時点の相場の目安を知ることから始まります。収益還元や公的データでの確認とあわせて、WEB査定で想定売却価格を押さえておくと、判断の起点をつくりやすくなります。

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中古マンション売却相場に関するよくある質問

中古マンション売却相場に関するよくある質問のイメージ
最後に、中古マンション売却相場に関するよくある質問を紹介します。
Q築30年の中古投資用マンションでも売れますか?
A 売却は可能です。ただし旧耐震や耐用年数切れの物件は買主の融資が付きにくく、価格や買い手が限られやすい傾向があります。立地や賃貸需要が強い物件であれば、現金購入層を含めて需要が見込めるケースもあります。
Q築年数が進む前に売った方がよいですか?
A 銀行評価が伸びにくくなる前に動くのは有力な選択肢の一つですが、家賃水準や金利の動向もあわせて判断するのが現実的です。所有期間が5年を超えているか(売却年の1月1日基準)も、税負担の面で確認しておきたいポイントです。
Q空室だと売却価格は下がりますか?
A 空室は家賃収入がない状態のため、投資家によっては価格交渉につながる場合があります。一方で、購入後に自由に賃料を設定できる点を評価する買主もおり、必ずしも不利になるとは限りません。
Q投資用マンションは居住用より売れにくいですか?
A 実需向けより買主層が限定されやすいのは確かですが、家賃収入や利回りに魅力があれば売却は可能です。特に都心・駅近の物件は需要が集まりやすい傾向があります。

まとめ

中古投資用マンションの売却相場のまとめのイメージ
中古投資用マンションの相場は、家賃・利回り・銀行評価の3点から見ると把握しやすくなります。成約価格は高水準で推移してきた一方、利回りは低下傾向のケースが多く、実需の感覚だけで判断しないことが大切です。築年帯が進むほど耐用年数の残存が縮み、買主の融資の付きやすさを通じて価格・流動性に影響しやすくなります。売り時は家賃・金利・所有期間(1月1日基準で5年超か)・築年数の節目をあわせて判断しましょう。まずは、WEB査定や公的データで現時点の相場の目安を知ることから始めましょう。

【免責表記】本コラムは情報提供を目的としたものであり、特定の不動産の売買・投資を推奨するものではありません。税制・法令・市況は2026年6月時点の情報に基づいており、今後変動・改正される可能性があります。実際のお取引・税務申告にあたっては、専門家にご相談ください。

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