投資用マンションの売却相場はどう決まる?収益還元・利回り・調べ方を解説

投資用マンションの売却相場は、実需向けマンションのように「周辺でいくらで売れているか」だけで決まるわけではありません。投資用マンションの買主は主に投資家や買取業者であり、物件そのものの見た目や設備よりも、「いくらの家賃収入を生み出しているか」「どの程度の利回りが確保できるか」「金融機関からどれだけ融資が受けられるか」といった収益性や資産価値を重視して価格を判断します。
そのため、投資用マンションの売却相場を正しく把握するには、収益還元法や利回りの仕組みを理解することが欠かせません。実際には、同じエリア・同じ広さの物件でも、入居状況や賃料、築年数によって売却価格が大きく変わることがあります。
本記事では、投資用マンションの売却相場がどのように決まるのかを解説するとともに、収益還元法や利回りとの関係、相場の調べ方、高く売るために押さえておきたいポイントまでわかりやすく解説します。
投資用マンションの売却相場の目安【2026年最新】

投資用ワンルームの売却価格は、エリア・築年数・賃料によって大きな幅が出ます。都心の駅近ワンルームは価格が相対的に高く利回りが圧縮されやすく、おおむね2,000万〜3,000万円台・表面利回り4%前後が一つの目安となるケースが多い一方、都心3区の築浅など人気エリアでは表面利回りが3%台まで下がることもあります。価格の実勢は、国土交通省の不動産価格指数(住宅)や不動産情報ライブラリの実取引価格で確認できます。
ただし、投資用マンションの価格は物件ごとに収益還元で評価される性質が強く、平均値はあくまで参考にとどまります。
国土交通省 不動産価格指数(住宅) / 国土交通省 不動産情報ライブラリ
投資用マンションの売却相場は「収益還元法」と「現行賃料」で決まる

投資用マンションの買主の多くは投資家や買取会社で、室内の見栄えや実需向けの市場相場ではなく、その物件がどれだけの家賃を生むかを重視します。中心になるのが「収益還元法」と「現行賃料の水準」です。加えて、「取引事例比較法・原価法」も補助的に活用されることがあります。もっとも、退去後に賃料を引き上げられると見込んで現行賃料以上の価格を提示する会社もあるため、これらだけで価格が決まると言い切れるものではない点は押さえておきましょう。以下の3つの算出法を順に見ていきます。
収益還元法|年間家賃収入÷期待利回りで価格を算出する
収益還元法は、物件が生む年間家賃収入を期待利回りで割り戻して価格を求める考え方です。たとえば、年間家賃収入が96万円(月8万円)、エリアの期待利回りが4.5%なら、96万円÷4.5%=約2,133万円が一つの目安になります。利回りを4.0%で見れば約2,400万円、5.0%なら約1,920万円と、想定利回りの取り方で価格は大きく変わります。投資用マンションの相場感は、この収益還元の枠組みでつかむのが基本となるケースが多いといえます。
現行賃料|市場相場の範囲内に収まっているか
現行賃料が周辺相場より高い場合、買主は退去後に同じ賃料で再募集できないと判断し、再募集時の想定賃料で価格を見積もることがあります。逆に相場より低い場合は、賃料を引き上げられる余地として評価されることもあります。現行賃料が市場相場の範囲内に収まっているかどうかは、収益還元価格の信頼性を左右する要素になりやすい点に注意が必要です。
取引事例比較法・原価法|補助的に活用される算出法
周辺の成約事例から価格を見る「取引事例比較法」や、建物の再調達原価から価格を見る「原価法」も用いられますが、投資用マンションでは収益還元を補う参考材料にとどまるのが一般的です。実需マンションでは取引事例比較法が中心になりますが、投資用では収益性が価格の軸になるため、これらは裏付けや調整に使われる位置づけと考えておくとよいでしょう。
投資用マンションは銀行評価が価格の上限になりやすい

投資用マンションの買主の多くは融資を使って購入するため、銀行の担保評価が価格の目安になりやすい傾向があります。銀行評価を大きく超える価格では融資が付きにくく、買い手が見つかりにくくなることがあります。
ただし、銀行評価は現行賃料(収益還元)だけで決まるわけではなく、エリアの将来性や賃料の上昇余地を加味して、評価を超える価格を提示する買主が現れることもあります。銀行評価はあくまで価格を考えるうえでの一つの目安と捉え、絶対的な上限と決めつけないことが、相場を見極めるうえで役立ちます。
投資用マンションの売却相場の調べ方

投資用マンションの相場は、一つの情報源だけで判断するのではなく、複数の方法を組み合わせて確認するのが有効です。投資用マンションは売却を検討していること自体が情報として扱われやすいため、多くの会社に同時に情報を出すより、まずは信頼できる会社に相談しながら相場感をつかむという視点も持っておくと安心です。代表的な3つの方法を紹介します。
利回りから逆算する
最も手軽なのは、自分の物件の年間家賃収入を、エリアの想定利回りで割り戻して相場感をつかむ方法です。たとえば月額家賃8万円(年間96万円)の物件で、エリアの想定利回りが4.5%なら約2,133万円、5.0%なら約1,920万円が目安になります。想定利回りはエリア・築年で異なるため、近隣の売り出し物件の利回りを参考に幅を持って見ておくとよいでしょう。
レインズ・不動産情報ライブラリの取引データを補助的に使う
周辺の成約価格は、公的に整備された取引データで確認できます。国土交通省の不動産情報ライブラリでは、実際の取引価格をエリア・種別ごとに調べられます。収益還元で出した価格が、周辺の実取引と大きくかけ離れていないかを確認する裏付けとして活用するとよいでしょう。なお、レインズの成約データは不動産会社向けの情報のため、個人が確認したい場合は依頼先の会社を通じて参照してもらう形が一般的です。
WEB査定で想定売却価格を把握する
物件情報を入力するだけで想定売却価格の目安を把握できるWEB査定は、相場を知る手軽な第一歩になります。自分で利回りから逆算した相場感と、プロの査定額を照らし合わせることで、現実的な価格帯を把握しやすくなります。FANTAS checkのWEB査定なら、オンライン入力で投資用マンションの想定売却価格の目安を確認できます。
投資用マンションの相場を左右する要因

同じエリア・同じ広さでも、投資用マンションの価格には差が生まれます。その背景には、収益性や融資のしやすさに関わる投資用特有の要因があります。ここでは、投資用マンションの相場を左右する主な4つの要因を見ていきます。
立地・賃貸需要
駅からの距離や周辺の賃貸需要は、空室リスクと想定家賃を通じて価格に影響します。賃貸需要が安定しているエリアは空室期間が短く、想定家賃・利回りが堅く見積もられるため、収益還元価格も評価されやすくなる傾向があります。
現行賃料・再賃貸付け時の想定賃料
価格評価では、現在の入居者の賃料だけでなく、退去後に再募集した場合の想定賃料も見られます。現行賃料が相場どおりであれば評価は安定しやすく、相場より高い場合は再募集時の賃料で見直されることがあります。賃料が上昇している局面では、再募集時の想定賃料が現行を上回り、価格にプラスに働くこともあります。
築年数・法定耐用年数の残存
築年数が進み、法定耐用年数の残存が短くなると、買主が組める融資年数が制限されやすくなります。融資年数が短くなると毎月の返済負担が重くなり、買える価格が下がるため、銀行評価・売却価格も下がりやすい傾向があります。鉄筋コンクリート造の住宅用建物の法定耐用年数は47年が目安とされており、残存年数が融資の可否や条件に関わる点は押さえておきましょう。
現在の入居状況
入居者がいるオーナーチェンジ物件は「家賃収入込み」で評価されやすく、購入直後から収益が見込める点が買主に好まれることがあります。一方、賃料が上昇している局面では、あえて空室にして相場賃料で再募集し、現行賃料を引き上げてから売る戦略が選ばれることもあります。どちらが有利かは賃料動向や入居者の状況によって変わるため、個別に判断する必要があります。
相場を踏まえて投資用マンションを高く売るポイント

相場の決まり方を踏まえると、収益還元価格を引き上げる方向の工夫が見えてきます。ここでは代表的な2つの考え方を紹介します。いずれもメリットだけでなくリスクもあるため、状況に応じて検討してください。
空室にして相場賃料で再募集してから売る
インフレなどで家賃が伸びている局面では、入居者の退去後に相場賃料で再募集し、現行賃料を引き上げてから売ると、収益還元価格が上がるケースがあります。賃料が上がれば年間家賃収入が増え、計算上同じ利回りでも評価額が高くなるためです。ただし、空室期間中は家賃収入が途絶え、再募集が想定どおりの賃料・期間で決まらないリスクもあります。
また、貸主都合で入居者を退去させることは原則できないため、これは自然退去のタイミングに合わせて検討する前提となります。空室にする判断は、家賃の上昇余地と空室リスクを比べたうえで慎重に検討する必要があります。
現行賃料・賃貸状況の資料を整えてから売る
賃料の滞納を解消したり、相場から外れた賃料を是正したりして、賃貸借契約書・現行賃料・入居時期などの賃貸状況がわかる資料を整えておくと、収益の実態が伝わりやすくなり、銀行評価・買主評価の評価材料になりやすくなります。賃貸状況の資料がそろっていれば、買主も安心して評価しやすく、価格交渉もスムーズに進みやすくなる傾向があります。
投資用マンションの相場を手軽に知る第一歩はWEB査定から

投資用マンションの売却を考え始めたら、まずは相場の目安を知ることが起点になります。
FANTAS checkのWEB査定依頼は、オンラインで30秒の入力で完了。面倒な手続きや営業電話はなく、現時点での売却価格の目安を確認できます。
直接取引のため仲介手数料は0円。最短翌日契約でスピード売却にも対応できます。さらに、人力中心の不動産業界に対し、FANTAS checkはAIを活用した少数精鋭体制で運営しているため、人件費を抑えた分を売却価格に還元しやすい仕組みになっています。
投資用マンションの売却相場に関するよくある質問

最後に、投資用マンションの売却相場に関するよくある質問を紹介します。
A
年間家賃と想定利回りから収益還元で計算すれば、おおよその相場感は掴めます。ただし、実際の売却価格は銀行評価や個別事情で変わるため、最終的にはプロの査定とあわせて確認するのが安心です。
A
相場を把握するうえで複数社の査定を比較するのは有効です。あわせて、投資用マンションでは売却を検討している情報の扱いに配慮し、信頼できる会社とよく相談しながら進めると安心なケースが多いといえます。
A
家賃が伸びている局面では、空室にして相場賃料で再募集した方が収益還元価格が上がるケースもあります。一方で入居中のオーナーチェンジ物件は収益が見込める点が評価されることもあり、賃料動向や入居状況によって有利・不利が変わります。
まとめ

投資用マンションの売却相場は、収益還元法と現行賃料を軸に、買主の融資を左右する銀行評価も目安になりながら決まります。ただし、賃料の上昇余地を見込んで高値を提示する買主もいるため、これらの要素だけで一律に決まるわけではありません。相場を調べる際は、利回りからの逆算・公的な取引データ・WEB査定を組み合わせ、立地や築年数、入居状況といった価格を左右する要因もあわせて確認することが大切です。まずは自分の物件の相場の目安を知ることから始めましょう。
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