マンション売却ガイド

マンション売却の方法は3種類|仲介・買取・個人売買の違いと選び方を徹底解説

マンション売却を考え始めたとき、「そもそもどんな売り方があるのか」と迷う方は多いのではないでしょうか。マンション売却の方法は、不動産会社に買主を探してもらう「仲介」、不動産会社が直接買い取る「買取」、自分で買主を見つける「個人売買」の3種類に大きく分けられます。投資用マンションは買主が投資家・買取業者中心で、賃貸中(オーナーチェンジ)のまま売却できるなど、マイホーム(自分・家族が住む住宅)とは方法選びの前提が異なります。

本記事では、投資用マンションを所有するオーナーに向けて、3つの方法の違いと媒介契約の種類、状況別の選び方を順に解説していきましょう。

マンション売却の方法は主に3種類|仲介・買取・個人売買

仲介・買取・個人売買というマンション売却の3種類の方法を比較するイメージ
マンション売却の方法は、大きく「仲介」「買取」「個人売買」の3種類です。まずは、売却相手・価格の決まり方・期間・費用・手間の5つの軸で違いを早見表で確認しましょう。
比較軸 仲介 買取 個人売買
売却相手 仲介会社が探した買主(投資用では不動産会社・投資家が中心) 不動産会社(買取業者) 自分で見つけた買主
価格の決まり方 売り出し価格をもとに買主と交渉 不動産会社の査定・提示額で合意 当事者間の合意
期間 3〜6か月程度が一般的とされる 短期間で完了するケースもある 買主が見つかるまで不確定
費用 仲介手数料がかかる 仲介手数料は不要となるケースが多い 仲介手数料は不要
手間 販売活動は会社に任せられる 販売活動が不要 買主探し・交渉・契約書作成まで自己対応
それぞれの仕組みと特徴を、投資用マンションの視点で詳しく見ていきましょう。

仲介|不動産会社に買主を探してもらう方法

仲介は、不動産会社と媒介契約を結び、販売活動を通じて買主を探してもらう方法です。投資用マンションの場合、仲介であっても買主は不動産会社(買取再販業者)や投資家が中心となるケースが多く、仲介会社が間に入る分だけ仲介手数料が発生する構造になります。 仲介は、買主が見つかるまで販売活動を続けるため、売却まで時間がかかりやすいとされる方法です。仲介手数料の法令上の上限は、売買価格×3%+6万円+消費税(売買価格が800万円超の場合)で、800万円以下の場合は2024年7月施行の特例により最大33万円(税込)を受領できる場合があります。手取りを考える際は、この手数料を売買価格から差し引いて比較することが大切です。

買取|不動産会社が直接買い取る方法

買取は、不動産会社が買主となって直接物件を買い取る方法です。投資用マンションの買主は仲介・買取を問わず不動産会社(買取再販業者)が中心のため、「仲介=仲介会社を通して不動産会社に買ってもらう」「買取=仲介会社を通さず不動産会社が直接買い取る」という違いとして整理すると分かりやすいでしょう。 買取の場合は購入者を探す販売活動が不要であるため、スピードと確実性が高いとされています。買主が不動産会社のため、融資が承認されなければ契約を白紙解除できる融資特約が付かないことが多く、契約後に白紙に戻るリスクを抑えやすい点も特徴です。賃貸中(オーナーチェンジ)のままでも売却しやすく、買取価格については「市場価格の何%」といった一律の目安があるわけではなく、投資用物件の販売が得意な会社であれば高額査定になるケースもあります。

個人売買|買主探しから契約まで自分で行う方法

個人売買は、不動産会社を介さず、自分で買主を見つけて契約まで行う方法です。仲介手数料はかかりませんが、買主探し・価格交渉・売買契約書の作成・契約不適合責任(引き渡した物件が契約内容と適合しない場合に売主が負う責任)への対応まで、すべて自己責任になります。 投資用マンションでは、さらに実務的なハードルがあります。個人間売買では、不動産会社の仲介や重要事項説明書がない取引を融資対象外としている金融機関もあり、融資の選択肢が限られる場合があります。そのため、融資を利用する買主を見つけにくくなる可能性があります。親族間で売買する場合も、価格が相場から大きく離れていると贈与とみなされるおそれがあるため、価格の妥当性の確認が必要です。なお、ローン返済が困難な場合の「任意売却」は状況が異なる方法のため、本記事では言及にとどめます。

仲介における媒介契約の種類

一般媒介・専任媒介・専属専任媒介など仲介における媒介契約の種類のイメージ
仲介を選ぶ場合、不動産会社と結ぶ媒介契約には「一般媒介契約」「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」の3種類があります。違いを表で確認したうえで、投資用マンションでの考え方を整理します。
  一般媒介 専任媒介 専属専任媒介
複数社への依頼 できる できない(1社のみ) できない(1社のみ)
自己発見取引 できる できる できない
レインズへの登録義務 なし あり(契約から7日以内※) あり(契約から5日以内※)
販売状況の報告義務 なし 2週間に1回以上 1週間に1回以上
有効期間 法令上の定めなし(3か月が目安) 最長3か月 最長3か月

レインズへの登録期限の日数は、不動産会社の休業日を除いて数えます。

一般媒介契約|複数社に同時に依頼できる

一般媒介契約は、複数の不動産会社に同時に仲介を依頼できる契約です。自分で見つけた買主と直接契約する自己発見取引も可能で、依頼先を縛られない自由度があります。一方で、レインズ(不動産会社間の物件情報ネットワーク)への登録義務や、販売状況の報告義務は法令上ありません。各社が競って動いてくれる面がある半面、販売活動の優先度が下がる場合や、進捗が見えにくくなる場合もあります。

専任媒介契約・専属専任媒介契約|1社に絞って依頼する

専任媒介契約と専属専任媒介契約は、1社のみに仲介を依頼する契約で、有効期間は最長3か月と定められています。不動産会社にはレインズへの登録義務(専任は7日以内、専属専任は5日以内。いずれも休業日を除く)と定期的な報告義務(専任は2週間に1回以上、専属専任は1週間に1回以上)があり、販売状況を把握しやすいのが特徴です。専属専任媒介では、自分で見つけた買主と直接契約する自己発見取引もできません。 投資用マンションでは、専任系が合うケースもあります。一般媒介で複数社に同時依頼すると各社が競って動いてくれる面はある一方、粘り強い価格交渉をせず安易な値下げを勧められるケースにつながることもあるためです。投資用マンションは、買主(投資家・買取業者)への打診力や、提携金融機関への融資評価の打診が価格に影響しやすいため、取り扱い実績が豊富で根拠ある査定を出せる会社であれば、専任で任せる選択もあるでしょう。

東日本不動産流通機構(レインズ)

投資用物件での媒介契約の考え方|不特定多数への開示に注意

投資用物件では、「売却を検討している」という情報の扱いにも注意が必要です。多くの会社に同時に情報を開示すると、物件情報や連絡先が広く共有されて営業連絡が増えやすく、共有範囲を事前に把握しづらい場合があります。また、査定額は成約を保証するものではないため、査定額の高さだけで媒介契約先を決めるのは避けたいところです。 機械的に多くの会社へ開示するよりも、投資用物件の売却実績があり、収益還元法・現行賃料・銀行評価(買主が利用する金融機関の評価)に基づいて査定根拠を説明できる会社に絞って相談し、必要に応じてセカンドオピニオンを取るのがおすすめです。

マンションの売却方法はどれを選ぶ?|投資用マンションの状況別の考え方

実質的な手取りや期間・賃貸中かどうかで売却方法を選ぶ考え方のイメージ
3つの方法と媒介契約の違いを踏まえ、自分の状況ではどれを選ぶべきかを整理します。判断の流れは、①実質的な手取りで仲介と買取を比較する、②売却期限に余裕があるか(時間をかけられるなら仲介、急ぐなら買取)、③賃貸中かどうか(賃貸中なら投資用に強い会社への仲介か買取)、の順で考えると迷いにくくなります。

実質的な手取りが高い方法を選ぶ

方法選びの基本となる視点は、表面の売買価格ではなく実質的な手取りです。具体的には、「仲介での売買契約金額−仲介手数料」と「直接買取の会社との売買契約金額」を比べます。印紙税・登記費用・ローン関連費用・譲渡所得税は方法を問わず発生するため比較軸から外し、方法によって差が出る「売買価格−仲介手数料」で比較するのがポイントです。 なお、売主の仲介手数料0円をうたう仲介会社もありますが、その場合は買主側から手数料やコンサルティング料を回収する仕組みなどにより、結果的に売買価格が低くなってしまっているケースもあります。手数料の有無だけでなく、最終的に手元に残る金額で比較しましょう。 仲介と買取の違いをより詳しく比較したい方は、『投資用マンションの仲介と買取の違いは?「実質的な手残り」で考える本当の選び方』もあわせてご覧ください。

時間をかけられるなら仲介

売却期限に余裕があり、販売活動を通じて複数の買主候補から条件を比較したい場合は、仲介が候補になります。投資用マンションの買主は不動産会社・投資家が中心のため、投資用物件への販売ルートを持つ会社に依頼することが前提です。提示された条件は、仲介手数料を差し引いた手取りで判断しましょう。

スピード・確実性重視なら買取

現金化を急ぐ場合や、融資特約による白紙解除のリスクを避けたい場合は、買取が候補になります。買主となる不動産会社と条件が合えば短期間で売買契約・決済に至るケースもあり、資金計画を立てやすいのが利点です。買取を選ぶ際は、提示価格が「仲介での売買価格−仲介手数料」を上回るか、即決できる手取りとして納得できるかを確認する流れで進めるとよいでしょう。

賃貸中(オーナーチェンジ)の場合|投資用に強い会社への仲介か買取が現実的

賃貸中の投資用マンションは、方法を問わず室内の内覧が基本的にできず、買主は賃貸借契約書・現行賃料・入居時期などの賃貸状況の数字で判断します。そのため、買主は投資家・買取業者が中心になり、個人売買で買主を自力で見つけるのはかなりハードルが高くなります。 賃貸中の場合は、投資用物件の取引実績が豊富な会社への仲介、またはそうした会社による直接買取が現実的な選択肢になります。なお、空室=低評価とは限らず、家賃相場が上昇しているエリアや販売会社の家賃設定によっては空室のほうが査定が伸びる物件・エリアもあるため、入居状況は物件の条件の一つとして依頼先に伝え、売り出し方を相談しましょう。

売却方法を決めたあとの進め方|流れ・費用の要点

査定から確定申告までの流れと売却方法によって変わる費用・税金のイメージ
売却方法の見当がついたら、実際の進め方と費用の要点も押さえておきましょう。詳細は関連記事に譲り、ここでは要点のみ整理します。

売却の流れ|査定から確定申告まで

売却は、おおむね「査定依頼→方法・依頼先の決定→(仲介の場合)媒介契約・販売活動→売買契約→決済・引渡し→翌年の確定申告」の流れで進みます。最初に行うのは、ローン残債の確認と相場の把握、そして査定依頼です。売却代金でローンを完済できるかを金融機関で確認し、想定売却価格の目安を把握したうえで、査定額の根拠を確認しながら方法と依頼先を決めていきましょう。 各ステップの具体的な進め方や賃貸中ならではの手続きについて詳しく知りたい方は、「マンション売却の流れ7ステップ|投資用・賃貸中ならではの手続きと期間・費用も徹底解説」もあわせてご覧ください。

費用・税金|売却方法によって変わる費用がある

売却時にかかる主な費用と税金は次のとおりです。仲介手数料は仲介の場合のみ発生し、それ以外は方法を問わず発生するため、選ぶ方法によって費用構成が変わります。
費用・税金 発生する方法 内容・目安
仲介手数料 仲介のみ 上限は売買価格×3%+6万円+消費税(800万円超の場合)。800万円以下は特例により最大33万円(税込)を受領できる場合があります。
印紙税 共通 売買契約書に貼付。契約金額に応じて数千円〜数万円程度。軽減措置は2027年3月31日までが対象です(適用期間は今後変動する場合があります)。電子契約の場合は課されません。
抵当権抹消登記費用 共通(ローンがある場合) 登録免許税は不動産1個につき1,000円(一般的な区分マンションは土地・建物で2,000円)。司法書士報酬は別途1〜2万円程度が目安です。
ローン繰上返済手数料 共通(ローンがある場合) 金融機関・商品により異なり、残債の1〜3%程度の場合や定額の場合があります。金銭消費貸借契約書や窓口で事前に確認しましょう。
譲渡所得税 共通 譲渡所得(売却価格−取得費−譲渡費用)に短期(所有5年以下)39.63%・長期(5年超)20.315%で課税。所有期間は売却した年の1月1日時点で判定します。
譲渡所得税で注意したいのは、「購入価格より安く売却したから税金はかからない」とは限らない点です。取得費は建物部分から減価償却費相当額を差し引いた金額(簿価)で計算されるため、売却価格が購入価格を下回っていても簿価を上回っていれば譲渡所得が発生し、課税されるケースがあります。税額の計算は個別性が高いため、税理士等の専門家に確認しましょう。

国税庁 No.1440 譲渡所得(土地や建物を譲渡したとき)

売却にかかる税金の計算方法や確定申告のポイントについて詳しく知りたい方は、「投資用マンションの売却にかかる税金はいくら?2026年の最新ルールと節税・確定申告のポイントを解説」もあわせてご覧ください。

売却方法選びの第一歩は「今の価格」を知ることから

WEB査定で今の価格を知ることから売却方法選びを始めるイメージ
仲介と買取のどちらが合うかを実質的な手取りで比べるには、まず「今いくらで売却できそうか」という想定売却価格を把握することが起点になります。価格の目安が分かれば、ローン残債とのバランスや、手数料を差し引いた手取りの見通しも立てやすくなります。

FANTAS checkのWEB査定依頼は、オンラインで30秒の入力で完了。

面倒な手続きやしつこい営業電話はなく、現時点での投資用マンションの想定売却価格の目安を確認できます。 直接取引のため仲介手数料は0円。最短翌日契約でスピード売却にも対応できます。さらに、人力中心の不動産業界に対し、FANTAS checkはAIを活用した少数精鋭体制で運営しているため、人件費を抑えた分を売却価格に還元できる仕組みになっています。まずは価格の目安を確認することから始めてみてください。

マンション売却の方法に関するよくある質問

マンション売却の方法に関するよくある質問のイメージ
マンション売却の方法について、よくある質問をまとめました。
Qマンションの売り方にはどんな種類がありますか?
A 不動産会社に買主を探してもらう「仲介」、不動産会社が直接買い取る「買取」、自分で買主を見つける「個人売買」の3種類に大きく分けられます。ローン返済が困難な場合には任意売却という方法もあります。
Q売却するとき、まず何をすればよいですか?
A まずローン残債を確認し、相場を把握したうえで査定を依頼するのがおすすめです。査定額の根拠を確認しながら、売却方法と依頼先を決めていきましょう。
Q個人売買なら仲介手数料がかからないのでお得ですか?
A 仲介手数料はかかりませんが、買主探し・契約書の作成・契約不適合責任への対応まで自己責任になります。投資用マンションの買主は不動産会社・投資家が中心で、個人間取引の場合、金融機関が融資しないケースが多いため、現金で購入できる買主しか対象にならず、現実的には難しい場合がほとんどです。
Q入居者がいる(賃貸中の)状態でも方法は選べますか?
A 賃貸中でもオーナーチェンジ物件として仲介・買取のどちらでも売却できます。なお、方法を問わず室内の内覧は基本的にできないため、賃貸状況の資料を整えておくことが大切です。

まとめ

仲介・買取・個人売買の違いと選び方をまとめたイメージ
マンション売却の方法は、仲介・買取・個人売買の3種類に大きく分けられ、投資用マンションでは買主が不動産会社・投資家中心のため、「仲介会社を通して業者に買ってもらう」か「業者に直接買い取ってもらう」かの違いとして捉えると整理しやすくなります。個人売買は融資が付きにくく、現実的には難しいといえます。仲介の媒介契約は一般・専任・専属専任の3種類で、投資用では実績と査定根拠のある会社に絞って相談するのがおすすめです。方法選びは「売買価格−仲介手数料」の実質的な手取りで比較し、時間をかけられるなら仲介、スピード・確実性重視なら買取、賃貸中なら投資用に強い会社への仲介か買取が現実的でしょう。まずは、今の想定売却価格を知ることから始めましょう。

【免責表記】本コラムは情報提供を目的としたものであり、特定の不動産の売買・投資を推奨するものではありません。税制・法令・市況は2026年8月時点の情報に基づいており、今後変動・改正される可能性があります。実際のお取引・税務申告にあたっては、専門家にご相談ください。

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