不動産市況・マーケット
不動産価格は今後下がる?投資用マンションの下落要因・下支え要因と売り時を解説

「不動産価格は今後下がる」といわれる中、保有している投資用マンションを今のうちに売却を検討すべきか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
投資用マンションの価格は、実需向けマンションとは異なる仕組みで決まります。実需物件が住み心地や立地の利便性で評価されるのに対し、投資用物件は「どれだけ家賃収入を生み出せるか」「どの程度の融資を受けられるか」といった収益性や銀行評価が重視されます。そのため、価格を左右するのは住宅市場の雰囲気だけではなく、金利動向や賃料水準、融資環境などの要素です。
本記事では、投資用マンション価格の下落要因と下支え要因を整理しながら、今後の相場見通しと売却タイミングの考え方をわかりやすく解説します。
投資用マンション価格はエリア・物件で二極化する

都心・駅近で賃貸需要が強いエリア|家賃・融資評価が安定し価格が下がりにくい
単身者の賃貸需要が根強い都心・駅近の物件は、空室が出ても次の入居者が決まりやすく、現行賃料が安定しやすいエリアです。賃料が底堅いと収益還元の評価も保たれやすく、金融機関の融資も付きやすいため、買主が動きやすくなります。買主にとっては「貸せる確実性が高い」ことが安心材料になり、多少市況が変動しても買い手が付きやすいことが、価格を支える土台になります。こうした物件は、市況が軟調な局面でも価格が落ちづらい傾向があります。地方・郊外・築古|賃貸需要と銀行評価の低下で下落圧力
一方で、人口減少が進む地方や郊外、築年数の経過した物件は、賃貸需要が弱まりやすく、想定できる賃料も伸びにくくなります。賃料が伸び悩むと収益還元の評価が上がりにくく、加えて築古は金融機関の融資も付きにくくなるため、買主が限られます。買い手が少なければ価格交渉でも売主が不利になりやすく、希望価格で売ることが難しくなります。結果として、こうした物件には価格の下落圧力がかかりやすくなります。同じ「投資用マンション」でも、都心の物件と地方の物件で値動きの方向が分かれていくのは、こうした賃貸需要と銀行評価の差によるものです。投資用マンション価格が今後下がると言われる理由

金利上昇|ローンを組みにくくなり買える価格が下がる
投資用マンションの買主の多くは、金融機関の融資を使って購入します。金利が上がると、同じ借入額でも月々の返済負担が増えるため、毎月の収支(キャッシュフロー)が悪化します。すると、銀行評価が出るぎりぎりの価格で買い進めることが難しくなり、買主が出せる金額も抑えられがちです。金利上昇局面が続くと、こうした形で物件評価が頭打ちになりやすく、投資用価格の下押し要因になると考えられます。なお、2026年6月時点の政策金利(無担保コールレート)は1.00%程度で、近年は緩やかな利上げ局面にあります。今後の金利動向は市況によって変わるため、最新の状況を確認することが大切です。空室率の上昇|家賃収入が減り価格が下がりやすい
投資用マンションの価格は、その物件で見込める想定賃料をもとにした収益還元の考え方で評価されます。賃貸需要が弱いエリアでは、入居者を確保するために募集賃料を下げざるを得なかったり、空室期間や募集にかかる費用を見込む必要が出てきたりします。こうして実際に手元へ残る収益が下がると、想定賃料を前提とした評価額も下がりやすくなります。つまり、空室そのものというより、その背景にある賃貸需要の弱さが、想定賃料や実質的な利回りを通じて価格に効いてくる、という関係です。 逆に言えば、空室が出ても相応の賃料ですぐ次が決まるエリアであれば、想定賃料は維持されやすく、価格への影響は限定的になります。売却を検討する際は、自分の物件が「どのくらいの賃料で・どのくらいの期間で貸せるか」を冷静に見ておくことが、価格を読むうえでの手がかりになります。管理費・修繕積立金の上昇|利益が減って売れにくくなる
マンションは築年数の経過とともに、修繕の必要性が高まるため、管理費や修繕積立金が段階的に引き上げられていくのが一般的です。家賃が横ばいのまま、これらの固定的な支出だけが増えると、家賃収入から経費を差し引いた後に手元に残る手取りの利回りが下がります。買主は表面的な家賃ではなく手取りベースで採算を見るため、同じ家賃でも収益性が落ちた物件は評価が下がりやすく、結果として売れにくくなる傾向があります。購入時に管理状態や積立金の水準を確認したい買主は多く、修繕積立金の不足や滞納がある場合は、重要事項に関する調査報告書(重調)を取得すれば把握できます。築年数の経過|融資期間が短くなり価格が伸びにくい
築古物件は、建物の法定耐用年数が残り少なくなることなどから、金融機関の融資期間が短く設定される傾向があります。融資期間が短くなると、買主が借りられる総額が抑えられたり、毎月の返済負担が重くなったりするため、無理のない範囲で出せる購入価格が下がりやすくなります。現金で購入する一部の買主を除けば、多くの買主は融資条件の枠内で価格を判断するため、借入条件が厳しくなるほど高値での売却は難しくなる傾向があります。築年数が一定のラインを超えると買い手の層が一段狭まることもあり、価格が伸びにくくなる要因になります。投資用マンション価格を下支えする要因

インフレ|家賃の上昇が収益・価格を押し上げる
物価が上昇する局面では、人件費や建築費の上昇などを背景に、家賃にも上昇圧力がかかりやすくなります。投資用価格は想定賃料をもとに評価されるため、家賃が上がれば収益還元の評価も押し上げられ、価格を下支えする方向に働きます。なお、インフレ局面では金利が上がりやすく、その点は価格の下押し要因になりますが、同時に家賃の上昇が下支えに働くため、両者のどちらの影響が大きいかは物件やエリアによって異なります。賃料を上げやすい立地かどうかが、インフレの恩恵を受けられるかの分かれ目になります。都心・駅近の賃貸需要|空室リスクが低く価格が底堅い
都心部や駅近エリアは単身者の賃貸需要が根強く、空室が出ても入居者が決まりやすいため、空室リスクが相対的に低いエリアです。賃貸需要が安定していると現行賃料が維持されやすく、収益還元の評価も保たれます。こうした立地の物件は、市況が変動する局面でも価格が底堅く推移しやすい傾向があります。再開発・人気エリアへの資金流入|需要が集まり価格を支える
再開発が進むエリアや人気の高いエリアには、将来の値上がりや安定した賃貸需要を期待して投資マネーが集まりやすくなる傾向があります。買いたい投資家が増えて需給が締まると、一般的には売り手が優位になり価格が支えられやすくなります。駅周辺の整備や大型施設の計画など、街の発展が具体的に見込まれるエリアでは、こうした需要の集中が価格の下支え要因になるケースがあります。ただし、期待が先行して相場が過熱している場合もあるため、足元の家賃水準や利回りと照らし合わせて冷静に見ることも大切です。今後の価格下落を踏まえた投資用マンションの売り時の考え方

所有期間5年を境に譲渡所得税の税率が変わる 売却した年の1月1日時点で所有期間が5年を超えると長期譲渡所得となり、税率は原則20.315%(所得税15.315%+住民税5%)まで下がります。一方、5年以下の短期譲渡では原則39.63%(所得税30.63%+住民税9%)と高くなるため、急ぐ理由がなければ長期譲渡になるタイミングを待つことも選択肢になります。
そのうえで、売却を判断するときに見落としやすい注意点を整理します。
家賃上昇より「管理費・修繕積立金の増加」が重くなるケースもある
管理費や修繕積立金は、いったん引き上げられると下がることは多くありません。そのため、家賃が横ばいのまま保有を続けると、固定的な支出だけが増えて手取りの利回りが下がり、価格は下落方向に向かいやすくなります。こうしたケースでは、保有を続けるより早めに売却したほうが、結果的に手残りが大きくなることもあります。ただし、保有を続ければローン残債も少しずつ減っていくため、家賃・支出・残債の推移を合わせて比較し、実質的な手取りで判断することが大切です。相場とかけ離れた強気の価格設定は売却が長引きやすい
早く・高く売りたいと考えるあまり、相場や銀行評価から離れた強気の価格を付けると、買主の採算に合わず買い手が見つかりにくくなります。投資用の買主は収益と融資の両面で価格を見ているため、評価から外れた価格は敬遠されがちです。結果的に売り出し期間が延び、最終的に値下げを重ねることになりやすい点に注意が必要です。相場と銀行評価に沿った価格を起点に、買主の指値に応じて調整していく進め方が現実的です。売却を判断する第一歩は「今の価格(銀行評価)」を知ることから

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Q投資用マンションの価格はいつ下がりますか?
A 下落の時期を正確に予測することは困難です。投資用価格は金利・家賃・空室の動向・銀行評価によって動くため、これらの指標を継続的に確認していくのが現実的です。
Q今は売り時ですか、待つべきですか?
A 物件によって異なります。家賃が伸び、銀行評価が高いうちは好機となるケースが多い一方、相場が下がる前に動いたほうがよい物件もあります。いずれにしても、まず自分の物件の現在価格を把握することが先決です。
Q自分が住んでいるマンションでも投資用として売却できますか?
A 賃貸需要が見込めるエリアの物件であれば、賃料が付くことで投資家・買取業者の融資対象となり、投資用として売却できる場合があります。立地や賃貸需要によって評価は変わるため、まずは査定で確認するとよいでしょう。
まとめ

【免責表記】本コラムは情報提供を目的としたものであり、特定の不動産の売買・投資を推奨するものではありません。税制・法令・市況は2026年6月時点の情報に基づいており、今後変動・改正される可能性があります(金利は日本銀行の2026年6月時点の決定に基づきます)。実際のお取引・税務申告にあたっては、専門家にご相談ください。

