ノウハウ

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事故物件の定義とは?投資用マンションが事故物件化したときの対処法

2017.01.02

事故物件の定義とは?投資用マンションが事故物件化したときの対処法

マンションオーナーにとって大きなリスクの1つが空室です。しかしその他にも、「長期の空室化」「賃料の値下げ」に直結する恐ろしいリスクがあります。それが「マンション内での事件や事故による事故物件化」です。

事故物件の定義

「事故物件」という言葉は、不動産の業界でしか使われません。明確な定義はありませんが、一般的には自殺や殺人、火災など、人の生命にかかわる重大な事件が発生した物件のことを指します。事件性のない病死や孤独死、過失による死亡などがあった物件も事故物件に入るのかどうか、判断は実に曖昧です。

仮にその物件内で事故があったわけではなくても、「心霊現象があるらしい」という噂が立って入居者が出て行ってしまったりしたら、それも広義の事故物件と捉えることもできるでしょう。

事故物件と法律

不動産物件の備考欄に、「心理的瑕疵あり」「告知事項あり」などと書かれているのを見たことはないでしょうか。これらの記載は多くの場合、事故物件であることを示しています。事故物件であることを広告上で明記するのは、法律的に告知義務があるからです。告知義務のある心理的瑕疵には、以下のようなものがあります。

  • ・自殺や殺人があった
  • ・火災や事故による死亡があった
  • ・周辺に火葬場や刑務所などの施設がある

・周辺に反社会的勢力の事務所などがある

このような事実があることを隠して契約を結んだ場合、不動産業者には罰則が科せられ、かつ契約の解除や損害賠償責任を求められる場合があります。

しかし、心理的瑕疵の告知義務については、告知義務期間が定められていません。問題となるのは「その事実が契約に影響を与えたかどうか」です。また、購入希望者や入居希望者が「過去に事故があったのですか?」と聞いてきたとき、きちんと調査せずに答えたり嘘を吐いたりすれば、違法行為とみなされます。

不動産業者によっては「次に誰かが入居すれば告知義務はなくなる」「2年経てば告知義務はなくなる」「隣の部屋であったことまで告知する必要はない」などと言われることもあるようですが、これは判例を元に導き出した推論であって、実際に違法となるかどうかはあくまでケースバイケースなのです。

もし自分の物件が事故物件になってしまったら

自分の物件で入居者が死亡した場合、オーナーは遺族に賃料や原状回復のための費用を請求することができます。また、物件価格や賃料の値下げについての損害賠償を、遺族に請求することは可能です。

マンションが事故物件になってしまって借り手がつかないとき、すぐにでも手放してしまいたいのは誰しも同じでしょう。けれども、事故物件の買い手はなかなか見つかりません。また、物件の価格は2~3割からそれ以上値下がりし、ローンが残っている場合は赤字がどんどん膨らんで行きます。

そんなときは、事故物件の程度にもよりますが、売却を検討したり思い切ってリフォームやリノベーションを行って成功するケースもあります。一度入居者が定着しさえすれば、その後はそれほど気にしないという入居者も増えるでしょう。

おわりに

高齢化や核家族化が進むにつれて、事故物件の発生率も高まってくることが予想されます。法的には事故物件の定義はないため、時効というものも存在しません。あまりにも大きな事件で周囲にも知れ渡ってしまった場合は、損益を覚悟で手放す判断も必要です。

最近では、マンションオーナーや管理会社向けの商品として、事故物件の被害(特殊清掃や遺品の整理、家賃損害など)を保証してくれる保険も販売されています。発生確率は少ないとはいえ、もしもの事態に備えて保険をかけておくのも1つの手段でしょう。

2017.01.02

事故物件の定義とは?投資用マンションが事故物件化したときの対処法
事故物件の定義とは?投資用マンションが事故物件化したときの対処法

マンションオーナーにとって大きなリスクの1つが空室です。しかしその他にも、「長期の空室化」「賃料の値下げ」に直結する恐ろしいリスクがあります。それが「マンション内での事件や事故による事故物件化」です。

事故物件の定義

「事故物件」という言葉は、不動産の業界でしか使われません。明確な定義はありませんが、一般的には自殺や殺人、火災など、人の生命にかかわる重大な事件が発生した物件のことを指します。事件性のない病死や孤独死、過失による死亡などがあった物件も事故物件に入るのかどうか、判断は実に曖昧です。

仮にその物件内で事故があったわけではなくても、「心霊現象があるらしい」という噂が立って入居者が出て行ってしまったりしたら、それも広義の事故物件と捉えることもできるでしょう。

事故物件と法律

不動産物件の備考欄に、「心理的瑕疵あり」「告知事項あり」などと書かれているのを見たことはないでしょうか。これらの記載は多くの場合、事故物件であることを示しています。事故物件であることを広告上で明記するのは、法律的に告知義務があるからです。告知義務のある心理的瑕疵には、以下のようなものがあります。

  • ・自殺や殺人があった
  • ・火災や事故による死亡があった
  • ・周辺に火葬場や刑務所などの施設がある

・周辺に反社会的勢力の事務所などがある

このような事実があることを隠して契約を結んだ場合、不動産業者には罰則が科せられ、かつ契約の解除や損害賠償責任を求められる場合があります。

しかし、心理的瑕疵の告知義務については、告知義務期間が定められていません。問題となるのは「その事実が契約に影響を与えたかどうか」です。また、購入希望者や入居希望者が「過去に事故があったのですか?」と聞いてきたとき、きちんと調査せずに答えたり嘘を吐いたりすれば、違法行為とみなされます。

不動産業者によっては「次に誰かが入居すれば告知義務はなくなる」「2年経てば告知義務はなくなる」「隣の部屋であったことまで告知する必要はない」などと言われることもあるようですが、これは判例を元に導き出した推論であって、実際に違法となるかどうかはあくまでケースバイケースなのです。

もし自分の物件が事故物件になってしまったら

自分の物件で入居者が死亡した場合、オーナーは遺族に賃料や原状回復のための費用を請求することができます。また、物件価格や賃料の値下げについての損害賠償を、遺族に請求することは可能です。

マンションが事故物件になってしまって借り手がつかないとき、すぐにでも手放してしまいたいのは誰しも同じでしょう。けれども、事故物件の買い手はなかなか見つかりません。また、物件の価格は2~3割からそれ以上値下がりし、ローンが残っている場合は赤字がどんどん膨らんで行きます。

そんなときは、事故物件の程度にもよりますが、売却を検討したり思い切ってリフォームやリノベーションを行って成功するケースもあります。一度入居者が定着しさえすれば、その後はそれほど気にしないという入居者も増えるでしょう。

おわりに

高齢化や核家族化が進むにつれて、事故物件の発生率も高まってくることが予想されます。法的には事故物件の定義はないため、時効というものも存在しません。あまりにも大きな事件で周囲にも知れ渡ってしまった場合は、損益を覚悟で手放す判断も必要です。

最近では、マンションオーナーや管理会社向けの商品として、事故物件の被害(特殊清掃や遺品の整理、家賃損害など)を保証してくれる保険も販売されています。発生確率は少ないとはいえ、もしもの事態に備えて保険をかけておくのも1つの手段でしょう。