基礎知識

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投資用マンションの収益性を判断する「イールドギャップ」とは

2016.12.26

投資用マンションの収益性を判断する「イールドギャップ」とは

投資用マンションの運用を行っている方の中には「リスクはあるかもしれないけれど、最終的に物件は残るし、他の投資に比べて利回りが良いから」と考えている方もいるのではないでしょうか。超低金利が続く昨今、利回りが10%近くにもなる投資先はそんなにありません。

ただし、この利回りを額面通りに受け取っても良いのでしょうか。投資用マンションの運用には経費がかかります。また、ローンを利用して投資用マンションを購入する場合は、不動産投資ローンの金利と利回りの差が、実質的な利回りとなります。この「不動産投資ローンの金利と利回りの差」のことを「イールドギャップ」といいます。

イールドギャップとは

不動産投資に限らず、全ての投資で「イールドギャップ」は存在します。その場合は、「投資利回り-長期国債金利」で表されることが一般的です。この数式の意味は、「融資を受けて投資を行う場合、どれくらい有益であるか」を示す指標です。イールドギャップが大きければ大きいほど、その投資は高い収益性があるということになります。この定義は、長期金利が日本と大きく異なる他国との比較や、投資のタイミングを検討するためにも用いられます。

イールドギャップはいくらあればいいの?

実は、イールドギャップに用いる利回りに厳密な定義はありません。表面利回りなのか、経費を引いた実質利回りなのか。そして不動産投資ローン金利にも「融資期間」という重要なファクターが抜けています。このため、イールドギャップだけを見て「この投資先は安全だ」と言い切ることはできません。

しかし一般的に、投資用不動産では「イールドギャップが2%以下の物件には手を出さない方が良い」といわれています。

例えば、1,000万円の中古マンションに対して年間の家賃収入が50万円の場合、表面利回りは5%です。不動産投資ローンの金利が3%だった場合、この投資用マンションのイールドギャップは2%です。これはあまり良い投資先とはいえません。

イールドギャップの注意点

不動産投資ローンの金利が低くても、融資期間によって毎月の返済額は異なります。短期間で多額の返済を行おうとしたために、月々のキャッシュフローがまわらなくなり、収益は上がっているにも関わらず、不動産を手放さなくてはならなくなることもあります。

また、イールドギャップが高い物件でも、空室率が高ければ収益率はガクンと落ちてしまいます。イールドギャップはあくまでも、利回りを比較するための1つの考え方、と捉えてください。

一方、自己資金があり、不動産投資ローンを利用しなくていい場合は、イールドギャップをそれほど考慮する必要はありません。

おわりに

マイナス金利の現代、国債をはじめとする多くの金融商品の利回りは大幅に低下し、運用難に陥っています。銀行の金利も当然低く、住宅ローンと比べて割高である不動産投資ローンの金利も低くなっています。そんな中、低い金利を利用して高い収益を上げる不動産投資はますます脚光を浴びています。

しかし投資用マンションの利回りはあくまでも、入居者あってのものです。また、管理費や修繕費用などの経費は、築年数によって増加していくことが予想されます。築年数が高くなれば、空室率も高くなる可能性を考慮しなければなりません。

これから投資用マンションを購入して家賃収入を得ようとしている方は、ひとつのイールド(=利回り)だけに注目することなく、諸経費や空室率も考慮に入れて物件を選択してください。また、不動産投資ローンを利用する場合はかならず、実質利回りと不動産投資ローン金利の差である「イールドギャップ」を参考にして、投資用マンションの収益性を比較し検討することをおすすめします。

2016.12.26

投資用マンションの収益性を判断する「イールドギャップ」とは
投資用マンションの収益性を判断する「イールドギャップ」とは

投資用マンションの運用を行っている方の中には「リスクはあるかもしれないけれど、最終的に物件は残るし、他の投資に比べて利回りが良いから」と考えている方もいるのではないでしょうか。超低金利が続く昨今、利回りが10%近くにもなる投資先はそんなにありません。

ただし、この利回りを額面通りに受け取っても良いのでしょうか。投資用マンションの運用には経費がかかります。また、ローンを利用して投資用マンションを購入する場合は、不動産投資ローンの金利と利回りの差が、実質的な利回りとなります。この「不動産投資ローンの金利と利回りの差」のことを「イールドギャップ」といいます。

イールドギャップとは

不動産投資に限らず、全ての投資で「イールドギャップ」は存在します。その場合は、「投資利回り-長期国債金利」で表されることが一般的です。この数式の意味は、「融資を受けて投資を行う場合、どれくらい有益であるか」を示す指標です。イールドギャップが大きければ大きいほど、その投資は高い収益性があるということになります。この定義は、長期金利が日本と大きく異なる他国との比較や、投資のタイミングを検討するためにも用いられます。

イールドギャップはいくらあればいいの?

実は、イールドギャップに用いる利回りに厳密な定義はありません。表面利回りなのか、経費を引いた実質利回りなのか。そして不動産投資ローン金利にも「融資期間」という重要なファクターが抜けています。このため、イールドギャップだけを見て「この投資先は安全だ」と言い切ることはできません。

しかし一般的に、投資用不動産では「イールドギャップが2%以下の物件には手を出さない方が良い」といわれています。

例えば、1,000万円の中古マンションに対して年間の家賃収入が50万円の場合、表面利回りは5%です。不動産投資ローンの金利が3%だった場合、この投資用マンションのイールドギャップは2%です。これはあまり良い投資先とはいえません。

イールドギャップの注意点

不動産投資ローンの金利が低くても、融資期間によって毎月の返済額は異なります。短期間で多額の返済を行おうとしたために、月々のキャッシュフローがまわらなくなり、収益は上がっているにも関わらず、不動産を手放さなくてはならなくなることもあります。

また、イールドギャップが高い物件でも、空室率が高ければ収益率はガクンと落ちてしまいます。イールドギャップはあくまでも、利回りを比較するための1つの考え方、と捉えてください。

一方、自己資金があり、不動産投資ローンを利用しなくていい場合は、イールドギャップをそれほど考慮する必要はありません。

おわりに

マイナス金利の現代、国債をはじめとする多くの金融商品の利回りは大幅に低下し、運用難に陥っています。銀行の金利も当然低く、住宅ローンと比べて割高である不動産投資ローンの金利も低くなっています。そんな中、低い金利を利用して高い収益を上げる不動産投資はますます脚光を浴びています。

しかし投資用マンションの利回りはあくまでも、入居者あってのものです。また、管理費や修繕費用などの経費は、築年数によって増加していくことが予想されます。築年数が高くなれば、空室率も高くなる可能性を考慮しなければなりません。

これから投資用マンションを購入して家賃収入を得ようとしている方は、ひとつのイールド(=利回り)だけに注目することなく、諸経費や空室率も考慮に入れて物件を選択してください。また、不動産投資ローンを利用する場合はかならず、実質利回りと不動産投資ローン金利の差である「イールドギャップ」を参考にして、投資用マンションの収益性を比較し検討することをおすすめします。