契約

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ローンが残っているときにマンションを売却する手順や準備について

2016.12.25

ローンが残っているときにマンションを売却する手順や準備について

20代から30代でマンションを購入した方は、ほとんどが35年などの長期ローンを組まれていることと思います。この世代は上の世代に比べて、まだ結婚や子供の誕生、転職など不確定要素が多いためか、「ローンが残っているが、今後が不安だからマンションを売りたい」「予定外に家族が増えたので買い替えたい」と考えることも珍しくありません。

ローンが残っている状態での売却方法はいくつか考えられますが、それぞれ手順や必要な準備があります。今回は、そのポイントについてご紹介します。

【1】抵当権を外し、売却できないか検討

ローンが残っているということは、その物件にはローンを組んだ銀行の抵当権がついているということです。この抵当権は、ローンを完済しないと外すことができません。そのため、マンションを売却した金額で残りのローンを一括清算し、抵当権を抹消した上で所有権を新たな買主に移すことが一般的です。

もし、マンションの売却金額で残りのローンを完済できるならば、この手続きは不動産会社がサポートしてくれますので、何の問題もありません。マンションを売却する前に、「今ローンを一括完済するとしたら、いくら必要なのか」を銀行に問い合わせ、正確なローン残高を把握しておきましょう。

もし「売却金額だけでは、ローンの残高に届かない」という場合は、自己資金を足してローンが完済できるように、売却価格や売却の時期を検討しましょう。

【2】買い替え特約制度

【1】で紹介したように、抵当権を外して売却しようとしたものの、なかなか買い手がつかない場合でも、新居を諦める必要はありません。このようなケースの対処法として、「買い替え特約」という制度が用意されています。

買い替え特約とは、「一定期間内にある金額以上で自宅を売却できなかった場合、新居の購入契約を白紙撤回できる」という特約です。通常、買主の都合で売買契約を破棄する場合には手付金の放棄などのペナルティが生じますが、この特約を付けておくと、自宅が売れなかった場合はペナルティなしで契約を破棄することができます。

買い替え特約は新居の売主にとってはあまりメリットがないため、必ず締結できるものではありません。締結してもらうためには、売却と購入を同じ不動産会社に依頼し、専属専任媒介(その不動産会社のみが媒介手数料を得ることができる)とするなど工夫が必要です。

【3】借り換えローンで完済を目指す

購入したい新居は決まっているのに、売却代金ではローンが完済できず、【1】【2】で紹介した方法がとれないときは、「買い替えローン」を利用する手があります。これは、残った住宅ローンの残高を、新居のローンに上乗せする方法です。

簡単なようですが、借入金も大きくなり、実質的には二重ローンのため審査が厳しい傾向にあります。よく検討してから利用しましょう。

【4】つなぎ融資を利用する

「つなぎ融資」とは、一時的な資金繰りのための融資です。例えば、新居のリフォーム代が予定を超えてしまったが、マンションの売却代金が入るのはまだ先のためリフォーム代が支払えないような場合に、つなぎ融資の利用を検討します。

一戸建てを新築する場合も、着工金や中間金など、住めるようになる前に支払わなくてはならない料金があるため、つなぎ融資が必要になることがあります。新居のローンは竣工後に実行されますから、ローンが内定していれば竣工と同時につなぎ融資は清算されます。

つなぎ融資は短期間ですが、比較的高い金利が発生します。なるべく利用しないで済むように自己資金の配分を工夫しましょう。

おわりに

ローンが残っているマンションを売るとき、果たして希望する金額で売れるのかどうか不安があることと思います。まずは希望の売値を不動産業者に伝え、現実的な販売価格を相談しましょう。

また、もしも住宅ローンの残っているマンションを売却して損失が出てしまった場合は、翌年以降の確定申告で損失の控除(譲渡所得)ができます。詳しくは国税庁など関連機関のウェブサイトで確認してください。

2016.12.25

ローンが残っているときにマンションを売却する手順や準備について
ローンが残っているときにマンションを売却する手順や準備について

20代から30代でマンションを購入した方は、ほとんどが35年などの長期ローンを組まれていることと思います。この世代は上の世代に比べて、まだ結婚や子供の誕生、転職など不確定要素が多いためか、「ローンが残っているが、今後が不安だからマンションを売りたい」「予定外に家族が増えたので買い替えたい」と考えることも珍しくありません。

ローンが残っている状態での売却方法はいくつか考えられますが、それぞれ手順や必要な準備があります。今回は、そのポイントについてご紹介します。

【1】抵当権を外し、売却できないか検討

ローンが残っているということは、その物件にはローンを組んだ銀行の抵当権がついているということです。この抵当権は、ローンを完済しないと外すことができません。そのため、マンションを売却した金額で残りのローンを一括清算し、抵当権を抹消した上で所有権を新たな買主に移すことが一般的です。

もし、マンションの売却金額で残りのローンを完済できるならば、この手続きは不動産会社がサポートしてくれますので、何の問題もありません。マンションを売却する前に、「今ローンを一括完済するとしたら、いくら必要なのか」を銀行に問い合わせ、正確なローン残高を把握しておきましょう。

もし「売却金額だけでは、ローンの残高に届かない」という場合は、自己資金を足してローンが完済できるように、売却価格や売却の時期を検討しましょう。

【2】買い替え特約制度

【1】で紹介したように、抵当権を外して売却しようとしたものの、なかなか買い手がつかない場合でも、新居を諦める必要はありません。このようなケースの対処法として、「買い替え特約」という制度が用意されています。

買い替え特約とは、「一定期間内にある金額以上で自宅を売却できなかった場合、新居の購入契約を白紙撤回できる」という特約です。通常、買主の都合で売買契約を破棄する場合には手付金の放棄などのペナルティが生じますが、この特約を付けておくと、自宅が売れなかった場合はペナルティなしで契約を破棄することができます。

買い替え特約は新居の売主にとってはあまりメリットがないため、必ず締結できるものではありません。締結してもらうためには、売却と購入を同じ不動産会社に依頼し、専属専任媒介(その不動産会社のみが媒介手数料を得ることができる)とするなど工夫が必要です。

【3】借り換えローンで完済を目指す

購入したい新居は決まっているのに、売却代金ではローンが完済できず、【1】【2】で紹介した方法がとれないときは、「買い替えローン」を利用する手があります。これは、残った住宅ローンの残高を、新居のローンに上乗せする方法です。

簡単なようですが、借入金も大きくなり、実質的には二重ローンのため審査が厳しい傾向にあります。よく検討してから利用しましょう。

【4】つなぎ融資を利用する

「つなぎ融資」とは、一時的な資金繰りのための融資です。例えば、新居のリフォーム代が予定を超えてしまったが、マンションの売却代金が入るのはまだ先のためリフォーム代が支払えないような場合に、つなぎ融資の利用を検討します。

一戸建てを新築する場合も、着工金や中間金など、住めるようになる前に支払わなくてはならない料金があるため、つなぎ融資が必要になることがあります。新居のローンは竣工後に実行されますから、ローンが内定していれば竣工と同時につなぎ融資は清算されます。

つなぎ融資は短期間ですが、比較的高い金利が発生します。なるべく利用しないで済むように自己資金の配分を工夫しましょう。

おわりに

ローンが残っているマンションを売るとき、果たして希望する金額で売れるのかどうか不安があることと思います。まずは希望の売値を不動産業者に伝え、現実的な販売価格を相談しましょう。

また、もしも住宅ローンの残っているマンションを売却して損失が出てしまった場合は、翌年以降の確定申告で損失の控除(譲渡所得)ができます。詳しくは国税庁など関連機関のウェブサイトで確認してください。