基礎知識

基礎知識

仲介手数料はどれくらい?マンションを売却する際にかかる費用について

2017.02.05

仲介手数料はどれくらい?マンションを売却する際にかかる費用について

自分で売り先を見つけるのではなく不動産業者を通して売却するとき、必ずかかるのが仲介手数料です。仲介手数料は不動産業者に対する報酬であり、その金額の上限は法律で決められています。今回は、マンションを売却するときに知っておきたい、仲介手数料や、マンションを売却する際にかかる費用についてご紹介します。

仲介手数料は、売買される不動産の価格によって異なる

仲介手数料は、売買される不動産の価格によって異なります。なお、仲介手数料は課税対象なので、別途消費税が加算されますが、基準となる物件価格は税抜きの価格となるため注意しましょう。

売主から仲介手数料を支払うタイミングは、契約する会社により異なりますが、「物件引渡し時に一括で支払う」場合と、「契約時に半分、引渡し時に残金を支払う」の2つのパターンが一般的です。

仲介手数料の計算式は以下の通りです。

物件の価格が200万円以下の場合

仲介手数料の上限は、取引額×5.4%(=5%+消費税8%)となります。

物件の価格が200万円以上400万円以下の場合

売買価額が200万円以上400万円以下の場合、計算式は少し複雑になります。

まず、200万円までを5.4%で算出し、残りの部分を4.32%(=4%+消費税)で求めます。仮に売却額を300万円だとすると、200万円×5.4%+100万円×4.32%という計算式で求められます。

400万円をこえる場合

売買価額が400万円をこえる場合は、さらに複雑です。

200万円までを5.4%、200万円~400万円までを4.32%、400万円をこえる残りの部分については3.24%(=3%+消費税)で求めます。

速算式の「+6万円」って何?

でも、この計算式だとちょっとやっかいですよね。そこでよく見かけるのが、「総売買価額×3%+6万円+消費税」という計算式(速算式)です。

この計算式を見た場合、疑問に感じるのが「+6万円」の部分ではないでしょうか。

たとえば、仮に1,000万円の物件を買ったとします。速算式を用いて1,000万円の仲介手数料を計算すると、1000万円×3%+6万円=36万円となります。これは、

5%の対象(200万円以下):200万円

200万円×5%=10万円

4%の対象(200万円から400万円まで):200万円

200万円×4%=8万円

3%の対象(400万円以上)1,000万円から400万円を引いた残りの600万円

600万円×3%=18万円

10万円(200万円まで5%)+8万円(200万円~400万円4%)+18万円(400万円超3%)=36万円で、最初の金額と等しくなるのです。

このように、6万円は計算式を単純化するための調整額なのです。

「仲介手数料半額」や「ゼロ円」の仕組み

仲介手数料はあくまで成功報酬なので、契約が成立しなかった場合には支払う必要がありません。一般媒介で契約した場合、複数の不動産事業者が同じ物件を取り扱うことになりますが、その場合も仲介手数料が得られるのは、最終的な買主を紹介した1社のみです。

仲介手数料を考えるときに覚えておきたいのは、上記で示した計算式は、あくまで「上限」だということです。上限なので、これよりも手数料が安い業者もあります。最近では「仲介手数料半額」や、「仲介手数料ゼロ円」を打ち出している業者も存在します。

このような仲介料無料のパターンにはいくつかあり、仲介手数料を下げるための企業努力には次のようなものが挙げられます。

広告費を大幅削減している

マンションなど、不動産の新聞折り込みチラシが連日のように入ってくるのを目にする方も多いでしょう。こうした広告費は大きなコストなります。経費のかかる折り込みチラシをやめ、インターネット広告を中心に広告を出している不動産会社もあります。仲介料無料をうたっている業者の多くは、さまざまな方法で広告費をスリム化して経費を減らしています。

人件費カット、業務のスリム化

マンションを販売しているショールームに行くと、外で案内をしているスタッフや受付対応をしているスタッフがいます。また、ショールームに行って名前を書くと、何度も何度も営業電話がかかってきたという経験もあるでしょう。こうしたスタッフに対して支払われる人件費販売コストになり仲介手数料に上乗せされてしまいます。仲介料無料業者は営業方法を見直すことで、経費削減を行っているのです。

実店舗を持たない

近年の不動産ベンチャーの中には、実店舗を持たず、インターネット上でほとんどの手続きを完結させるケースも多くみられます。こうした業者は仲介手数料無料を売りにしています。

このほか、買主から仲介手数料をもらわずに、売主からのみ仲介手数料をもらっている「片手」と呼ばれるケース、買主と売主の双方から半額ずつ仲介手数料をもらっている「両手」と呼ばれるケースがあります。

一方、悪質な業者の中には、「仲介手数料無料」を打ち出しつつ、「仲介手数料」ではなく別項目として請求しているケースもあります。たとえば、販売活動における広告費などはこの手数料に含まれることはありません。また、売主が負担する必要もないため、このような契約内容がみられた場合は注意しましょう。

仲介手数料は値引き可能?

3000万円の物件の場合、仲介手数料だけで最大100万円前後も支払いが生じます。決して安い金額ではありません。仲介手数料はあくまで「上限」だけが法律で決められているので、もともと「仲介手数料半額」や「ゼロ円」とうたっている業者以外でも、値引き交渉は可能です。売主と買主が同じ会社を通し、双方から手数料収入が見込める「両手」の場合、値引きも多少交渉しやすくなるといわれています。

ただし、広告を打つかどうかなど、販売コストの判断にもかかわってくるので、値引き交渉は契約のできるだけ早い段階に行うと良いでしょう。

仲介手数料を節約するなら「買取」という選択肢も

仲介手数料をできるだけ節約したい、という場合は、「仲介」ではなく「買取」で物件を手放すことも可能です。

不動産の「買取」とは、広告宣伝活動などを一切行わず、直接不動産買取業者に売却する取引方法です。買い手を探すための広告を打つ手間がないので、売却価格さえ合意すれば、すぐに売却できます。

買取のときに必要な費用は?

契約書に貼付する印紙代

(たとえば、3000万円の売買契約に1万5千円の印紙代がかかります。詳しくは国税庁のホームページで確認できます)

ローン抵当権抹消登記、等

担保権の抹消や住所が移動されている場合に必要です。一般住宅の場合、2~10万円程度が平均額です。

両方合わせても、費用は10万円前後です。100万円前後かかる仲介手数料よりもぐっとお得です。

買取で不動産を買い取る業者は、さらに売却するために購入した不動産をリフォームなどで手入れするのが前提です。そのため、仕入れ値を安く抑える傾向があります。そのため買取の場合、物件自体の売却価格は安くなってしまいがちですが、短期間で売却できたり、売却にかかる諸費用が抑えられたりというメリットもあります。

おわりに

今回は、マンションを売却するときに知っておきたい、仲介手数料や売却にかかる費用についてご紹介しました。

本来、1つの物件売買を成立させるには、役所へ行って必要書類の準備や契約書などの作成、銀行での手続きなど、大変な手間がかかるものです。それなのに、報酬であるはずの仲介手数料をもらわないということは、そのほかの部分で補っている可能性は大いにあります。

仲介手数料無料の業者を利用するときは、仲介手数料以外に支払いを求められていないかどうか、きちんと確認しましょう。

2017.02.05

仲介手数料はどれくらい?マンションを売却する際にかかる費用について
仲介手数料はどれくらい?マンションを売却する際にかかる費用について

自分で売り先を見つけるのではなく不動産業者を通して売却するとき、必ずかかるのが仲介手数料です。仲介手数料は不動産業者に対する報酬であり、その金額の上限は法律で決められています。今回は、マンションを売却するときに知っておきたい、仲介手数料や、マンションを売却する際にかかる費用についてご紹介します。

仲介手数料は、売買される不動産の価格によって異なる

仲介手数料は、売買される不動産の価格によって異なります。なお、仲介手数料は課税対象なので、別途消費税が加算されますが、基準となる物件価格は税抜きの価格となるため注意しましょう。

売主から仲介手数料を支払うタイミングは、契約する会社により異なりますが、「物件引渡し時に一括で支払う」場合と、「契約時に半分、引渡し時に残金を支払う」の2つのパターンが一般的です。

仲介手数料の計算式は以下の通りです。

物件の価格が200万円以下の場合

仲介手数料の上限は、取引額×5.4%(=5%+消費税8%)となります。

物件の価格が200万円以上400万円以下の場合

売買価額が200万円以上400万円以下の場合、計算式は少し複雑になります。

まず、200万円までを5.4%で算出し、残りの部分を4.32%(=4%+消費税)で求めます。仮に売却額を300万円だとすると、200万円×5.4%+100万円×4.32%という計算式で求められます。

400万円をこえる場合

売買価額が400万円をこえる場合は、さらに複雑です。

200万円までを5.4%、200万円~400万円までを4.32%、400万円をこえる残りの部分については3.24%(=3%+消費税)で求めます。

速算式の「+6万円」って何?

でも、この計算式だとちょっとやっかいですよね。そこでよく見かけるのが、「総売買価額×3%+6万円+消費税」という計算式(速算式)です。

この計算式を見た場合、疑問に感じるのが「+6万円」の部分ではないでしょうか。

たとえば、仮に1,000万円の物件を買ったとします。速算式を用いて1,000万円の仲介手数料を計算すると、1000万円×3%+6万円=36万円となります。これは、

5%の対象(200万円以下):200万円

200万円×5%=10万円

4%の対象(200万円から400万円まで):200万円

200万円×4%=8万円

3%の対象(400万円以上)1,000万円から400万円を引いた残りの600万円

600万円×3%=18万円

10万円(200万円まで5%)+8万円(200万円~400万円4%)+18万円(400万円超3%)=36万円で、最初の金額と等しくなるのです。

このように、6万円は計算式を単純化するための調整額なのです。

「仲介手数料半額」や「ゼロ円」の仕組み

仲介手数料はあくまで成功報酬なので、契約が成立しなかった場合には支払う必要がありません。一般媒介で契約した場合、複数の不動産事業者が同じ物件を取り扱うことになりますが、その場合も仲介手数料が得られるのは、最終的な買主を紹介した1社のみです。

仲介手数料を考えるときに覚えておきたいのは、上記で示した計算式は、あくまで「上限」だということです。上限なので、これよりも手数料が安い業者もあります。最近では「仲介手数料半額」や、「仲介手数料ゼロ円」を打ち出している業者も存在します。

このような仲介料無料のパターンにはいくつかあり、仲介手数料を下げるための企業努力には次のようなものが挙げられます。

広告費を大幅削減している

マンションなど、不動産の新聞折り込みチラシが連日のように入ってくるのを目にする方も多いでしょう。こうした広告費は大きなコストなります。経費のかかる折り込みチラシをやめ、インターネット広告を中心に広告を出している不動産会社もあります。仲介料無料をうたっている業者の多くは、さまざまな方法で広告費をスリム化して経費を減らしています。

人件費カット、業務のスリム化

マンションを販売しているショールームに行くと、外で案内をしているスタッフや受付対応をしているスタッフがいます。また、ショールームに行って名前を書くと、何度も何度も営業電話がかかってきたという経験もあるでしょう。こうしたスタッフに対して支払われる人件費販売コストになり仲介手数料に上乗せされてしまいます。仲介料無料業者は営業方法を見直すことで、経費削減を行っているのです。

実店舗を持たない

近年の不動産ベンチャーの中には、実店舗を持たず、インターネット上でほとんどの手続きを完結させるケースも多くみられます。こうした業者は仲介手数料無料を売りにしています。

このほか、買主から仲介手数料をもらわずに、売主からのみ仲介手数料をもらっている「片手」と呼ばれるケース、買主と売主の双方から半額ずつ仲介手数料をもらっている「両手」と呼ばれるケースがあります。

一方、悪質な業者の中には、「仲介手数料無料」を打ち出しつつ、「仲介手数料」ではなく別項目として請求しているケースもあります。たとえば、販売活動における広告費などはこの手数料に含まれることはありません。また、売主が負担する必要もないため、このような契約内容がみられた場合は注意しましょう。

仲介手数料は値引き可能?

3000万円の物件の場合、仲介手数料だけで最大100万円前後も支払いが生じます。決して安い金額ではありません。仲介手数料はあくまで「上限」だけが法律で決められているので、もともと「仲介手数料半額」や「ゼロ円」とうたっている業者以外でも、値引き交渉は可能です。売主と買主が同じ会社を通し、双方から手数料収入が見込める「両手」の場合、値引きも多少交渉しやすくなるといわれています。

ただし、広告を打つかどうかなど、販売コストの判断にもかかわってくるので、値引き交渉は契約のできるだけ早い段階に行うと良いでしょう。

仲介手数料を節約するなら「買取」という選択肢も

仲介手数料をできるだけ節約したい、という場合は、「仲介」ではなく「買取」で物件を手放すことも可能です。

不動産の「買取」とは、広告宣伝活動などを一切行わず、直接不動産買取業者に売却する取引方法です。買い手を探すための広告を打つ手間がないので、売却価格さえ合意すれば、すぐに売却できます。

買取のときに必要な費用は?

契約書に貼付する印紙代

(たとえば、3000万円の売買契約に1万5千円の印紙代がかかります。詳しくは国税庁のホームページで確認できます)

ローン抵当権抹消登記、等

担保権の抹消や住所が移動されている場合に必要です。一般住宅の場合、2~10万円程度が平均額です。

両方合わせても、費用は10万円前後です。100万円前後かかる仲介手数料よりもぐっとお得です。

買取で不動産を買い取る業者は、さらに売却するために購入した不動産をリフォームなどで手入れするのが前提です。そのため、仕入れ値を安く抑える傾向があります。そのため買取の場合、物件自体の売却価格は安くなってしまいがちですが、短期間で売却できたり、売却にかかる諸費用が抑えられたりというメリットもあります。

おわりに

今回は、マンションを売却するときに知っておきたい、仲介手数料や売却にかかる費用についてご紹介しました。

本来、1つの物件売買を成立させるには、役所へ行って必要書類の準備や契約書などの作成、銀行での手続きなど、大変な手間がかかるものです。それなのに、報酬であるはずの仲介手数料をもらわないということは、そのほかの部分で補っている可能性は大いにあります。

仲介手数料無料の業者を利用するときは、仲介手数料以外に支払いを求められていないかどうか、きちんと確認しましょう。