2017.01.10

マンション経営には、会社経営や店舗経営などと同じく、経営上のリスクが存在します。空室のリスク、自然災害のリスク、資産価値低下のリスクなど、色々なリスクが起こる可能性がありますが、中でも厄介なのが家賃滞納のリスクです。

マンション経営でのおもな利益は、入居者に納めてもらう家賃収入です。家賃滞納が起こると、この利益に直結する家賃収入がゼロになってしまいますので、マンションのオーナーにとっては大きな痛手となります。このように、マンションオーナーにとって家賃滞納が発生する事態は、何としても避けたいところです。

今回は、そんな家賃滞納への備えについて紹介します。

入居申込書などで入居者のチェックをする

家賃滞納の発生を防止するには、まず入居希望者に提出してもらう入居申込書や住民票などの書類を自分自身の目で確認し、問題がありそうな入居者でないかチェックすることが大切です。マンション管理会社に手続きなどをすべて任せている場合は難しいかもしれませんが、これらの書類を確認できるのであれば、きちんと内容をチェックしましょう。

入居申込書には、勤務先や年収、家族構成、引っ越しの理由などが記載されているはずですので、それらの項目を確認し、不自然な点がないかどうかを調べます。加えて住民票を見れば、短期間で居住地を頻繁に変えている人なのかどうかも分かります。転勤などの事情がある場合は除き、住まいを頻繁に変えている人は家賃滞納の可能性もあるため、本人にきちんとその理由や背景を確認しましょう。また、連帯保証人がいる場合は、連帯保証人の詳細も確認しておくと安心でしょう。

賃貸保証会社を利用してもらう

入居希望者には、「賃貸保証会社」の利用を義務付けるというのも、家賃滞納を防ぐ1つの方法です。

賃貸保証会社とは、入居者が家賃を滞納した場合、本人に代わって家賃の支払いを行ってくれる会社のことです。近年の高齢化社会に伴い、連帯保証人を用意することが難しい人が増加していることから、現在普及が進んでいます。

入居者に必ずこの賃貸保証会社を利用してもらうよう取り決めれば、家賃の滞納リスクも小さくなるため、マンションのオーナーにとっては大きなメリットになります。

しかし、この制度も家賃滞納リスクを完全に無くす手段とは言えません。

その理由は、賃貸保証会社が倒産してしまう可能性があるためです。賃貸保証会社もあくまで1つの企業です。普通の企業と同じく倒産の危険性は0ではありません。賃貸保証会社が倒産してしまえば、滞納者の代わりに家賃を納めてくれる人がいなくなるので、家賃の回収が困難になってしまいます。

そのため、賃貸保証会社を義務付ける物件とするかどうかは、賃貸保証の契約内容やその会社に倒産の恐れがないかなどを事前に調査したうえで、慎重に決めるようにしましょう。

信頼できるマンション管理会社を選ぶ

マンション管理会社に賃貸業務を任せている場合は、マンションのオーナーが直接入居者と接触する機会はあまりないことが予想されます。そのため信頼できるマンション管理会社を見つけ出し、業務を任せることが重要になってきます。

入居者の審査、家賃滞納への備え、家賃滞納が発生した場合はどのような対処をしてくれるのかといった点について、マンション管理会社に質問し、安心して業務を任せられる会社かどうか見極めることを忘れてはいけません。

おわりに

家賃滞納への対処は、マンション経営の成功を左右する重要なポイントです。家賃を滞納しそうな入居者を見極めることはなかなか難しいため、完全に家賃滞納を防ぐことはできないかもしれません。だからこそ、入居前の本人チェックや連帯保証人の確認、また管理業者の選定に気をつけることで、家賃の滞納が起こる可能性を低くするよう努める必要があります。