2017.01.25
マンションのような集合住宅では、きちんとした騒音対策がなされているかが非常に重要です。「近隣の騒音に悩まされる、状況(騒音)が改善されない」ということがあれば、マンションを移転する場合もあります。特に投資用のマンションの場合、入居者の定着率は非常に重要で空室化を促す要因は少しでも排除したいもの。マンションの定着率を上げるためにもマンションの騒音対策がしっかりとなされているかを確認しておきましょう。
日常生活でも騒音は発生している
普通に生活をしているつもりでもマンションの構造によっては騒音に聞こえていることがあります。騒音の種類には、人の話し声、ペットの鳴き声やテレビの音など、「空気を介して伝える音」と、床を歩く、掃除機をかけるなど「直接的に響く音」があります。また昼間は気にならない音でも、周りが静まり返った真夜中などは、普段と変わらないような物音でも大きく響くことがあり注意が必要です。
騒音の基準は?
そもそも、どれくらいのレベルを騒音というのでしょうか。環境庁の定めた基準によると、住宅地においては、昼間(午前6時~午後10時)の騒音は55デシベル以下、夜間(午後10時~午前6時)の騒音は45デシベル以下とされています。生活騒音の例をあげてみると、洗濯機(約64~72)、犬の鳴き声(約90~100)、人の話し声(約50~61)、子供のかけ足(約50~66)とかなり高い数値となっています。このような生活騒音が日常的に続けば、周囲に騒音被害を与えてしまったり、近隣の騒音に悩まされたりする日々を過ごさなくてはなりません。このような事態を防ぐため、マンションの騒音対策や防音対策は必要不可欠なのです。
マンションの騒音対策を確認しよう
マンションでの騒音トラブルを避けるためにも、マンションの購入を考える際には騒音・防音対策がどのように施されているかを確認するようにしましょう。
1.床の厚み
階下との境となる床が厚ければ、それだけ音を遮断することができます。上階との間の床(天井)も同様です。また、フローリングの床は見た目も美しく、おしゃれな印象を与えるため人気ですが、人が歩く際の振動が響きやすい素材でもあります。使われている床材やその反響度は素材によって異なるため、あらかじめ確認しておきましょう。
2.壁の厚み
隣の部屋との壁も厚みがあればそれだけ音を遮断することができます。また水回りなどは、排水の音が響きやすいので、事前にどれくらい騒音が発生するのかを管理会社に確認しておきましょう。
3.窓ガラス
窓ガラスは、外部からの音を遮断するとともに、室内の音が外部に漏れることを防ぎます。この際、二重構造の窓(内窓設置)ならさらに防音効果が高まります。購入時に二重窓でない場合でも、リフォーム工事で設置することができるかどうかを確認しておくと良いでしょう。
4.共用部分の近く
エレベーターホールや、エントランス、駐車場、駐輪場の近くの部屋は人の出入りが多く、さまざまな音がする場所です。また、配管や電気室・ポンプ室なども運転音がする場合があるため、実際にどれくらいの騒音が発生するのかを内覧の際に確認しておきましょう。
5.外的要因(線路や幹線道路、子供の集まる公園や幼稚園・学校の近く)
住居の近くに大きな音(電車、車、子供の声)を発生するものがないかを確認しておきましょう。また、このような騒音問題の場合はなかなか解決が難しいため、時間帯をずらして内覧するなど慎重にチェックしておく必要があります。
おわりに
騒音問題は、マンションの快適性を左右する重要な要素です。また一方では、マンションの住民同士のトラブルで最も多いと言われるのも「騒音問題」です。「上階の人の足音がうるさい」「夜中に洗濯機を回す音がする」「朝方まで人の話し声がして、眠れない」「ドアの開け閉めの音が大きい」など。あまりにも騒音問題がひどい場合には、入居者が引っ越してしまうということもあります。マンション入居者の定着率を上げるためにも、できるかぎり騒音トラブルが起こらないよう騒音対策には気を配りましょう。