2017.02.25
投資対象として国内の不動産を考えることはあっても、海外の不動産は敬遠しがち、という方は多いのではないでしょうか。今回は、日本国内での不動産投資と海外での不動産投資を比較して、それぞれにどのような特徴があるのか、ご紹介しましょう。
融資ができるかどうか
不動産への投資を考える場合、投資金の用意をどのように行うかは重要です。国内であれば、一般的には金融機関の審査で決定された融資額を投資金とする(ローンを組む)ことになると思いますが、海外ではどうなるのでしょうか。
海外の不動産に投資する場合、国内よりは仕組みが少々複雑になりますが、基本的には条件を満たせば融資を受けることができます。条件は国や金融機関によって異なるため、事前に調査が必要です。
ただし、借入金利は日本より高いことが多いため、利回りについては慎重に検討を重ねる必要があります。また、国によっては外国人の借入自体ができないため、投資先の検討をする際には、融資ができるかどうかについても調べておく必要があります。
不動産の購入価格
事前にある程度の投資金が用意できる場合、国内では融資が必要なランクの物件を、海外では投資金だけで購入できる可能性があります。
フィリピンやマレーシアなど、発展途上国の不動産は、今後の経済成長や人口増加によって価格高騰の可能性があるにもかかわらず、国内と比較して格安で購入できることがほとんどです。庭やプールがある一等地のコンドミニアムなど、日本で手が出しにくい物件も、海外であれば投資先として検討できるかもしれません。
利益を出す方法
不動産投資には主に2通りの利益の上げ方があります。売却して利益を出すキャピタルゲインを狙う方法と、家賃収入で利益を出すインカムゲインを狙う方法です。
日本国内の投資方法は家賃収入によるインカムゲインを狙うのが主流です。東京都内であれば家賃相場の変動がほとんど無いため、物件の立地や間取りなどに応じて、一定の家賃収入が期待できます。空室などのリスクは伴いますが、軌道に乗ってしまえばある程度安心して収益を上げることができます。
一方、海外での不動産投資では売却による大きなキャピタルゲインを狙うことが可能です。東南アジアなどの発展途上国では、たった数年で物件の価値が大きく上がることも珍しくありません。このような大きな値上がりは、高度経済成長を終えた今現在の日本国内では期待できません。一獲千金を狙える可能性こそ、海外の不動産投資の魅力でもあるのです。
また、発展途上国以外でも、気候などの暮らしやすさから将来的に人口増加が見込まれる地域の不動産も魅力があります。移住者や移民が今後流入してくる可能性が高い地域の物件は、キャピタルゲインを狙う上で絶好のターゲットと言えるでしょう。
リンクの大きさ
日本は不動産投資に精通した投資家ほど、精度の高い収益予測をもとに堅実な利益を望む傾向にあります。インカムゲインを想定したマンション投資は、利益がすぐに出ない代わりに、リスクヘッジもしやすい分野だと言えるでしょう。
対して、発展途上国の不動産を対象にしたキャピタルゲインを狙う場合、不確定な要素が多いため堅実な予測は難しいでしょう。将来的な価格高騰を見込んで投資するため、実際には価格高騰が発生しない可能性もゼロではありません。もともと価格が安いということは、高騰しなかった場合に売却する際の価格も安いということです。チャンスの裏にはリスクがあることを忘れないようにしましょう。
おわりに
日本国内での不動産投資は堅実にインカムゲインを狙うことができますが、海外の不動産投資はキャピタルゲインで大きな利益を得られる可能性があります。日本国内の物件より比較的安く購入できるのも大きな特徴です。
海外での投資は何かと不安になりがちのため、専門家の助言を得ながら進めても良いでしょう。現地の言語が分からない場合は、マルチリンガルのビジネスパートナーと共同で投資するケースも考えられます。
今回は紹介していませんが、アメリカの不動産によるインカムゲインを狙うケースなど、海外不動産投資のパターンは多種多様です。事前によく調査して、国外か国内か、投資先は慎重に選択するようにしましょう。