2017.02.26
1980年代から1990年代にかけて、温泉地やスキー場周辺には「リゾートマンション」と呼ばれるマンションが競うように建てられました。当時は、一戸建ての別荘を購入する余裕はないがマンションの一室であれば気軽に購入できるということで、多くの人がリゾートマンションを購入したものです。しかし、バブル崩壊後には各地のリゾート地から客足も遠のき、徐々にリゾートマンションは人気がなくなっていきました、現在では、半分廃屋のようになっているマンションも見かけるほどです。
マンション投資といえば、やはり人口の多い都心などの地域で行うのが一般的ですが、このような観光地にある中古のリゾートマンションは果たして投資の対象となるのでしょうか。今回は、そんな中古リゾートマンションに投資する際のメリットやデメリットについてご紹介します。
中古リゾートマンション投資のメリット
価格
実は、各地の中古リゾートマンションは、今では大きな値崩れを起こしています。建設当時、高いものでは数千万円もしたような物件でも、現在では価格が大暴落しており、中には数十万円で購入できるマンションもあるため購入価格を安く抑えることができます。
また、建てられたのは20~30年ほど前ですが、リゾートマンションは内装や外観が非常に凝った構造になっている建物も多く、デザイン性の高い建物も多く見られます。これまでの管理がしっかりとしていれば、現在でも十分魅力的な物件もあるに違いありませんが、多くは築年数や管理が十分に行われていないため安い価格で取引され、リフォームなどを経て収益物件へと生まれ変わることが多いようです。
家賃収入
物件そのものは安価に購入できる物件もあるものの、そこから家賃収入を得たり、転売したりして利益を出せるのかが不動産投資家としての問題点です。マンション投資は、借りてくれる人や買ってくれる人がいなければ収益を上げることができません。中古リゾートマンションで投資を成功させようと思ったら、どの地域の物件を購入するかをよく検討する必要があります。例えば、熱海は近年、定年後の移住を考えている人たちに人気が出始めています。現在は昔の華やかな面影がなくなり、静かな温泉地といった印象もありますが、最近になって移住先やセカンドハウスとして魅力を感じる人が増加し、新たなマンションの建設も行われています。当然、人が多く集まる場所では物件の需要が高まるため、リゾートマンション=収益が得られないというわけではありません。中古リゾートマンション投資を成功させるためには、今後人気が出そうな地域を見極めて物件を探せるかどうかがポイントとなるのです。
リゾート地の人気再生は、自治体や商業施設など街を活性化させる事業と深く関係しています。かつてリゾート地だった場所で再び町興しのプロジェクトが行われている、地方自治体が街の活性に力を入れているなどの情報があれば、それはマンションの価値にも影響を与えるでしょう。
中古リゾートマンション投資のデメリット
リゾートマンションは購入価格が抑えられる反面、多くの場合借り主を見付けることが難しい立地です。立地が観光地であるため、そこに定住しようという人は限られます。熱海の例のように、一定の移住の動きがあるのである場合を除き、それ以外に人口流入の可能性が少ない場合は、借り手が付かない場合あるでしょう。リゾートマンションの場合、法人がまとめて借り受ける可能性もありますが、契約の更新がなされなければ同時期に全室が空室になってしまうリスクも持ち合わせています。
おわりに
このように、借り手を見付けることがネックとなる中古リゾートマンション。リゾートマンションを投資用として購入するには、エリア情報を細かくリサーチし、今後借り手が付くかどうかの見極めを行うことがとても重要になります。人の集まる気配のない場所に建っているマンションを買っても、維持管理費を無駄に支払うだけになってしまうでしょう。中古マンションの購入を検討する際には、まずは街の商業エリアや観光地の取り組みを調べてみるところから始めてみましょう。