2017.01.12
数年前から上昇傾向にある新築マンションの販売単価。2016年には徐々にその推移は落ち着きを見せていますが、現在も多くの人気を集めています。マンション投資には不向きと思われることも多い新築マンションですが、実際にはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか?
今回はマンション売却を考えているワンルームマンションオーナー(1棟ではなく1戸~数戸所有のオーナー)の方々へ向けて、投資の視点から新築マンションのメリットとデメリットをご紹介したいと思います。
新築マンションへの投資のメリット
ワンルームマンションを経営している方には、現在運用している物件の稼働率の低さに悩んでいたり、できるだけ利回りの良い物件があれば買い換えたいと考えていたりすることもあるでしょう。新たな投資先として新築マンションを考える場合には、以下のようなメリットがあります。
住戸の比較検討ができる。
中古マンションの場合、既に他の部屋には別のオーナーがいるため住戸の比較検討ができません。しかし新築マンションの場合、さまざまな間取りの部屋から購入物件を検討することができます。
当初ランニングコストが安い
大規模修繕費、管理費などのランニングコストが抑えられるのも新築マンションのメリットです。これらのランニングコストは約12年ごとに大規模修繕費がかかるため、後に値上がりすることを考慮しておきましょう。
設備や間取りが時代のニーズに合っている
実需目的も含めた購入の場合、旧来の住戸よりも都心には都心の、郊外には郊外のニーズにあった使いやすい間取りになっています。天井が高い、扉が引き戸になっていてデッドスペースが少ないなど、収納スペースにもさまざまな工夫がなされていることもあります。
また新築物件はそのときの最先端の建物、デザイン、建築設備が搭載されており、時代のニーズに合わせた物件を購入することができます。
購入時のローンが組みやすい
築年数の経過により資産価値が下がっている中古マンションは金利優遇が受けられない可能性がありますが、新築マンションはローンを組みやすい傾向にあります。
新築マンションへの投資のデメリット
基本的には、中古マンションよりも新築マンションの方が価格は高いことが一般的です。
そんな新築マンションと中古マンションを比較したとき、新築マンションのデメリットは以下のとおりです。
将来的な資産価値を判断しにくい
中古マンションは、住んだことがある人の口コミなどから情報収集をすることができます。しかし新築マンションはそもそもできたばかりなので、実際の住み心地や物件の良し悪しを判断しにくい側面があります。
「新築」という価値は購入時のみ
新築マンションを購入した場合、将来売却する際には中古マンションとなり、購入時の価格より下がることが一般的です。そのため短期間での売却を考えるマンション投資には不向きといえるでしょう。
新築マンションの投資リスク
新築マンションに投資する場合のリスクについて、次のようなことが考えられます。
・購入した物件が値落ちするリスク(市況によるもの、天災などの危険負担による損失)
・空室リスク
新築マンションは購入した時点で中古マンションとなり値落ちする可能性があります。値落ちするリスクは投資目的であれば利回りが大事な指標になるでしょう。借主がつかなかった場合に、自己居住もできるような物件を買っておくと、リスク回避の一手になるかもしれません。
空室リスクは、中古マンションでも新築マンションでも同様に抱えるリスクです。新築マンションの賃料は、中古マンションに比べ高くなるのが一般的なので、相場より高くなる傾向があります。借主は、類似物件であれば家賃の低い方を選ぶことが多く、近隣に類似物件がある場合は賃料の設定は慎重に行う必要があります。その際はエリアの情報に精通した専門家に相談すると良いでしょう。
おわりに
新築マンション投資にはメリットとデメリットがあります。メリットは中古マンショに比べてローンが組みやすいことや、当初のランニングコストが安いなどが挙げられます。一方デメリットは新築であるがゆえに入居者の口コミなどの情報が収集しづらい点などが挙げられるでしょう。新築マンションを投資用物件とする場合、空室や不動産価値が下がるリスクがあるため、中古マンションの購入と比較検討してみると良いでしょう。