基礎知識

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災害リスクは?値は上がる?マンション選びで気になる湾岸の埋立地について

2017.01.06

災害リスクは?値は上がる?マンション選びで気になる湾岸の埋立地について

マンション選びをしていると、夜景のきれいな東京湾近辺の「タワーマンション」「シーサイド」「ベイエリア」などに立地する高級物件が目に入ることがあります。

タワーマンションは間取りにもバリエーションが多く、エントランスなど共有部にもゆとりがある設計で、街並みや景観は素晴らしいものがあります。新築や築浅の物件であれば、最新の耐震技術で建築されているため資産価値も落ちにくく、魅力ある物件と言えるのではないでしょうか。しかしそんなタワーマンションで気になるのが埋立地の災害リスクです。

今回は、そんな湾岸の埋立地に立地するタワーマンションについてご紹介します。

埋立地に建つマンションの災害リスクは?

埋立地とひと口に言っても、さまざまな工法・種類があります。最も昔からあった方法は、元々の湿地帯や沼などの水面に土砂などを投入して陸地を造成する方法です。海面に新しい島を作るように埋め立てる方法は、比較的新しい技術です。そして埋立地には「土壌の水分が多い」「土壌が締め固まっていない」「揺れが伝わりやすい」という条件の土地が多いため、地震による液状化のリスクが高くなります。

同じ工法の埋立地であっても、液状化のリスクは同じではありません。埋め立てに使用する土砂の種類や粘度、埋め立てられてからの年月などによって、このリスクは異なります。

しかし駅や高層マンションなどの大型の建築物を建てる場合は地盤改良が行われることが多いため、周囲の埋立地と比較すると災害のリスクは軽減されると考えられます。豊洲駅や有明、新木場駅など、東京湾の内側の駅は、地盤改良が行われた埋立地の上に建っているのです。

埋立地にマンションが建つ理由とメリット

湾岸部の埋め立て地に大型のマンションが建つ理由は、東京の内陸部で立地のよい(交通の便の良い)土地を大量に仕入れることは、ほぼ困難なためです。埋立地であれば、比較的安価で広大な土地を一気に仕入れることができます。そして埋立地にマンションを建築する場合は、通常の地盤より深く杭を打つなどの対策が取られています。

つまり、東京都内で立地がよく、安全でグレードの高いマンションを建築しようとした場合、湾岸の埋立地が選択肢としてあがるのです。

資産価値は

3.11の震災後に着工した湾岸部のマンションには、液状化対策をはじめとした防災用の備蓄設備や非常用電源などを備えた防災型のマンションが増えてきました。このようなマンションは当然、資産価値は高くなり、値下がりしない傾向があります。

震災後は特に、「湾岸部マンションの二極化」と言われる状態が発生しました。立地がよく、最新の設備を備えて管理状態が良いマンションと、湾岸部でも不便で管理が行き届いていないマンションでは、人気も災害リスクもまったく異なります。そして、価格が高くグレードの高い高級マンションほど資産価値は高くなる傾向にあります。

おわりに

日本、特に東京に済んでいる場合、埋立地のマンションよりも木造の戸建てのほうが地震による災害のリスクは高く、耐震または免震構造になっている大型マンションのほうが安全、という考え方もあります。現代の耐震基準を満たしていれば、建物の倒壊リスクは非常に少ないと言われています。

どんな部屋に住んでいても、地震などの災害リスクは0とは言えません。特に埋立地でマンション選びをする際は、ハザードマップや液状化マップで安全性を確認しておくことが大切です。また、マンションの工法や地盤改良が行われているか、杭がどのくらいの深さで「地盤」に到達しているかなど、可能な限り事前に調査や問合せをしてみることをおすすめします。

2017.01.06

災害リスクは?値は上がる?マンション選びで気になる湾岸の埋立地について
災害リスクは?値は上がる?マンション選びで気になる湾岸の埋立地について

マンション選びをしていると、夜景のきれいな東京湾近辺の「タワーマンション」「シーサイド」「ベイエリア」などに立地する高級物件が目に入ることがあります。

タワーマンションは間取りにもバリエーションが多く、エントランスなど共有部にもゆとりがある設計で、街並みや景観は素晴らしいものがあります。新築や築浅の物件であれば、最新の耐震技術で建築されているため資産価値も落ちにくく、魅力ある物件と言えるのではないでしょうか。しかしそんなタワーマンションで気になるのが埋立地の災害リスクです。

今回は、そんな湾岸の埋立地に立地するタワーマンションについてご紹介します。

埋立地に建つマンションの災害リスクは?

埋立地とひと口に言っても、さまざまな工法・種類があります。最も昔からあった方法は、元々の湿地帯や沼などの水面に土砂などを投入して陸地を造成する方法です。海面に新しい島を作るように埋め立てる方法は、比較的新しい技術です。そして埋立地には「土壌の水分が多い」「土壌が締め固まっていない」「揺れが伝わりやすい」という条件の土地が多いため、地震による液状化のリスクが高くなります。

同じ工法の埋立地であっても、液状化のリスクは同じではありません。埋め立てに使用する土砂の種類や粘度、埋め立てられてからの年月などによって、このリスクは異なります。

しかし駅や高層マンションなどの大型の建築物を建てる場合は地盤改良が行われることが多いため、周囲の埋立地と比較すると災害のリスクは軽減されると考えられます。豊洲駅や有明、新木場駅など、東京湾の内側の駅は、地盤改良が行われた埋立地の上に建っているのです。

埋立地にマンションが建つ理由とメリット

湾岸部の埋め立て地に大型のマンションが建つ理由は、東京の内陸部で立地のよい(交通の便の良い)土地を大量に仕入れることは、ほぼ困難なためです。埋立地であれば、比較的安価で広大な土地を一気に仕入れることができます。そして埋立地にマンションを建築する場合は、通常の地盤より深く杭を打つなどの対策が取られています。

つまり、東京都内で立地がよく、安全でグレードの高いマンションを建築しようとした場合、湾岸の埋立地が選択肢としてあがるのです。

資産価値は

3.11の震災後に着工した湾岸部のマンションには、液状化対策をはじめとした防災用の備蓄設備や非常用電源などを備えた防災型のマンションが増えてきました。このようなマンションは当然、資産価値は高くなり、値下がりしない傾向があります。

震災後は特に、「湾岸部マンションの二極化」と言われる状態が発生しました。立地がよく、最新の設備を備えて管理状態が良いマンションと、湾岸部でも不便で管理が行き届いていないマンションでは、人気も災害リスクもまったく異なります。そして、価格が高くグレードの高い高級マンションほど資産価値は高くなる傾向にあります。

おわりに

日本、特に東京に済んでいる場合、埋立地のマンションよりも木造の戸建てのほうが地震による災害のリスクは高く、耐震または免震構造になっている大型マンションのほうが安全、という考え方もあります。現代の耐震基準を満たしていれば、建物の倒壊リスクは非常に少ないと言われています。

どんな部屋に住んでいても、地震などの災害リスクは0とは言えません。特に埋立地でマンション選びをする際は、ハザードマップや液状化マップで安全性を確認しておくことが大切です。また、マンションの工法や地盤改良が行われているか、杭がどのくらいの深さで「地盤」に到達しているかなど、可能な限り事前に調査や問合せをしてみることをおすすめします。