2017.06.16
マンションを複数所有しているとか、住み替えで現在のマンションを手放したい場合、売却か賃貸かで迷う方は多いでしょう。売却すると資産が減る可能性もありますが、賃貸に出す時の手間を考えると売却の方がいいと考える方もいるかもしれません。では、マンションの売却か賃貸かで迷った時、どのような点に注意して判断すれば良いでしょうか。売却と賃貸のメリット・デメリットについて紹介します。
マンションの売却を選択するメリットとデメリット
売却のメリット
マンションを売却するメリットは資産の現金化です。特に財産相続が関係する場合、分割が困難な不動産相続は、現金化することで相続の分割をスムーズに行うことができます。
また、居住者がいなくても、マンションの管理費や修繕積立金、固定資産税がかかりますので、売却によって支出の負担をなくすことができます。
さらに、売却で得たお金を住宅ローンの完済に充てる利用方法もあります。一括繰り上げ返済をすることで銀行保証料の返還があったり、利子負担がなくなったりすることもメリットです。
売却のデメリット
マンションを賃貸に出すと継続的に家賃収入を得ることができますが、売却すれば継続的な収入が得られなくなることは大きなデメリットといえるでしょう。また、売却するといっても、マンションの買い手が見つからない限りまとまった資金を得ることができません。売るためにも印紙税、測量費、仲介手数料などの費用がかかり、これが高額な負担になるケースもあります。さらに、売却で得た利益が譲渡所得として課税対象になる場合があるので、注意したいところです。
マンションを賃貸に出すメリット・デメリット
賃貸のメリット
マンションを賃貸に出すことで長期的な収入を得ることができますので、不労収入を得たい方には最適です。また、物価が高騰すると貨幣価値が下落する影響がありますが、マンションなどの不動産はインフレによる影響を受けにくく、安定した利益を得ることが可能です。自分たちはもう住まないけれど資産として残しておきたいという場合、住宅ローンが残っていればその返済に充てることもできます。また、し、住宅ローンの返済が完了していれば、家賃収入を使った資金運用も可能になるでしょう。
賃貸のデメリット
マンションを賃貸に出しても、すぐに入居者が見つかるとは限りません。家賃収入が入らないだけでなく、毎月の管理費や修繕費用を負担する必要があります。さらに、専門業者に依頼してハウスクリーニングをするのはもちろん、部屋の状態によってはリフォームも必要になってくるでしょう。
その他、将来的に自分がその部屋に住むことを考えている方は、注意が必要です。定期借家契約で賃貸に出し、自分が住む時まで更新を続ければいいだろうと安易に考える方もいますが、定期借家契約で借りてくれる人は多くありません。また、部屋をきれいに使ってくれない借り主もいます。
売却か賃貸かを検討するポイント
売却を検討する場合
マンションの売却のメリットは資金の現金化ですから、まとまった資金が必要な場合は売却を検討した方が良いでしょう。遺産相続する際も、マンションを相続して多額な相続税を支払うより、売却して資金を確保した方が良い場合もあります。
ただし、不動産の価格というのは常に変動するものです。資産価値の高いマンションであっても、売却時期によって査定額が下がる可能性があることは、理解しておきましょう。
賃貸を検討する場合
老後の資産を確保したい方や家族に資産を残したい方は、賃貸に出すことを検討しても良いでしょう。将来的に年金の受給額が減ることも想定されますし、もし自分が働けなくなっても不労収入源があるということは、大変心強いものです。また、株式や債券の投資がハイリスクであるのに対し、インフレやデフレに強い不動産は長期にわたり安定した収入を確保することができます。部屋を賃貸に出すといっても、実際は不動産会社が借り手の募集や契約の手続きを行ってくれるため、それほど面倒なことはないでしょう。
おわりに
このように、売却では資産の現金化、賃貸では長期的な収入を得られるなどのメリットがある一方、さまざまなデメリットも考えられます。マンション売却か賃貸かを検討する際は、保有する目的や将来的な活用にも配慮して検討することがポイントです。メリットとデメリットを理解して、最善の選択をしましょう。