2017.05.27
線路付近のマンション物件は、駅から近い物件も多く、利便性が高いにもかかわらず、同じ駅から徒歩圏内にあるマンションに比べると価格が安い傾向にあります。電車がそばを通るときの騒音が原因の1つとして考えられますが、他にも理由があることをご存じでしょうか。
今回は線路付近のマンション物件が安い理由をご紹介します。
線路付近のマンション物件が安い理由(騒音)
線路付近のマンションは、駅から近い場所に位置する物件であっても、周囲の物件の相場よりも安いことが少なくありません。これは毎日決まった時刻に電車が線路を通過するので、ある程度の音は覚悟しなければならないためです。
特に都心部は路線の乗り入れが多く、アクセス抜群で通勤や通学に便利な反面、いつも通る電車の音に悩まされる場合が多いのです。
高層マンションの高層階、例えば10階以上の部屋であっても、線路から響く音が届いてしまう場合があります。駅や踏み切りの近くであれば、電車が通過するたびに警報機の「カンカン」という音が聞こえてきます。
さらに、線路の夜間工事に伴う深夜帯の騒音も発生します。電車が運行している日中は工事ができないため、線路工事は夜間に行われることが一般的です。電車の安全な運行を維持するためには仕方がないことではありますが、夜は静かな環境で過ごしたいと考える方にとっては、夜間工事の騒音は気になるかもしれません。
ただし、騒音問題のレベルは、マンションの設備や周辺環境によってかなり違いが見られます。
例えば、マンションに最新の防音対策がされていて、線路上を行き交う電車の音がほとんど気にならないという場合や、都心部から少し離れているため線路を走る電車の本数も少なく、深夜運転もほとんどないためあまり気にならないという場合もあります。また、人によっても音の聞こえ方や感じ方は異なるでしょう。
線路付近のマンション物件が安い理由(騒音以外)
線路付近のマンション物件が安い理由として、騒音以外に以下の3つの理由を挙げることができます。
【理由1】電車の運行に伴うマンションの揺れ
線路に非常に近い場所に建てられたマンションでは、電車が通るときに騒音だけではなく建物の揺れが気になる場合があります。耐震構造のマンションの場合、1階部分だとあまり揺れが気にならなくても、階が高くなるにつれて揺れ幅が大きくなる傾向があるため注意が必要です。
【理由2】マンション近くに歓楽街がある
大きな駅の線路沿いには歓楽街が形成されていることが多いことから、付近のマンション物件が安くなっている場合もあります。これは子供を持つ親が歓楽街付近の物件の購入を避けるためです。近隣に歓楽街があることを除けば条件が良く、魅力的な物件であっても、購入者が限られてしまいます。
【理由3】マンションからお墓が見える
電車に乗っているときにお墓を見かけることはありませんか。線路付近はお墓が多いことから、敬遠する方もいます。「夜中にお墓の前を通って帰宅するのが怖い」「家の窓を開けたときに墓が目に入って来る物件は抵抗がある」と考える方もいるでしょう。
おわりに
線路付近のマンション物件が安い理由をご紹介してきました。騒音はもちろんですが、電車の運行に伴う建物の揺れ、周囲に歓楽街や墓が存在するなどの理由のため、線路付近のマンション物件は売却価格が安くなる場合があります。
しかし、線路付近のマンションだから売却できないということはありません。「電車の騒音はあまり気にしない」「利便性に優れた物件が欲しい」「できる限り安いマンションに住みたい」という方もいます。物件の売却を検討されている方は、まずは不動産業者に相談してみてはいかがでしょうか。