2017.02.24
マンションを売却する際は、チラシの配布などの広告活動を行うことが重要とされています。売却したいマンションに良い買手を付けるためには、積極的な広告活動を行う必要がありますが、そこには広告費用が発生します。この広告費用は、一体誰が負担しているのでしょうか?
今回は、マンション売却時の広告費用についてご紹介します。
広告活動は仲介の不動産屋が行ってくれる
仲介によってマンションを売却する際、不動産業者に売買の仲介を頼むことになります。不動産業者には専門のネットワークシステムがあり、登録すれば全国の不動産業者に物件の情報が行きわたります。
システムへの登録以外にも、不動産業者によってさまざまな宣伝活動を行います。インターネット上に売却するマンションの情報を出したり、新聞の折り込み広告に載せたりする場合もあります。マンションの売却をスムーズに行うためには、仲介してくれる不動産業者がどのような広告活動をしてくれるのかが重要なのです。
そのような広報活動で発生する広告宣伝費などを、不動産業者から請求されることはあるのでしょうか?
広告費用の負担は誰がするのか
もし売却したいマンションの情報を広めるために広告費が掛かってしまうとすれば、売る側は二の足を踏んでしまうかもしれません。インターネットへの掲載料や、チラシの作成・印刷にどのくらい費用が掛かるのか知らない方は余計に心配ですよね。
結論から言えば、基本的にマンションのオーナーは売却に関する広告費を一切負担する必要はありません。
宅地建物取引業法(宅建業法)では、不動産屋が報酬として受け取ることができるのは売買成約時に受け取れる仲介手数料のみとされており、その手数料も一定の上限が定められています。仮に不動産屋が、広告費用を事前の確認無く突然請求してきたとしたら、法律に触れる行為となります。もちろん、そのような要求に応じる必要はありません。
仲介を依頼する際に広告費用の支払いを強要してきた場合は、仲介する不動産屋の変更を検討しても良いかもしれません。
マンションの売却の広告は必要か
「広告を出さないでほしい」というお願いを不動産屋にすることは可能です。仮に、売りに出す物件が非常に良いものであれば、広告を出さなくても仲介してくれる不動産屋のネットワークを駆使して買主を見つけることができるかもしれません。
しかし、広告一切無しでも売却できるような非常に良い物件というのは、条件的にもあまり現実的とは言えないでしょう。不動産屋のネットワークへ登録するだけで、物件情報を客に紹介できないようだと、売却時期がどんどん遅れてしまうことにつながります。
広告を出すことで、物件の情報が多くの買主候補の目に触れます。売却を希望する人の中には「近所に知られたくない」などの理由で広告を出したくない方もいるかもしれませんが、早くマンションを売りたい場合は広告を利用する必要があるでしょう。
費用を負担して特別な広告を依頼することは可能
仲介する不動産屋が自主的に行う広告活動については、オーナーが負担する費用は無いとご紹介しました。しかし、不動産屋に対してオーナー側から、費用を掛けた広告の拡大をリクエストする場合に限っては、不動産屋は広告費を請求することができます。
仲介を頼む際には、その不動産屋が通常はどのような広告を出しているのか、通常の広告活動では満足できない場合に、どの程度まで追加の広告活動を行えるのかなど、不動産屋の広告宣伝に対しての方針をきちんと確認しておくことが大切です。
おわりに
基本的にマンション売却の広告費用はオーナーが支払う必要はありません。突然、事後報告として後から請求された場合は支払う義務はありません。毅然とした態度で対応しましょう。
ただし、仲介手数料の割に合わない条件など、広告費用について打診されるケース自体はあり得ます。事前に打診された場合は、後のトラブルに発展しないようきちんと話し合っておきましょう。