2017.08.13
なかなか借り手が現れないマンションの売却を検討するとき、買い取ってくれる業者はいるだろうか、売却できても安値になるのではないだろうかと不安を感じるオーナーもいるでしょう。しかし、借り手がつきにくいマンションでも、高値で買い取ってくれる場合があります。
今回は、買取業者がマンションの値段を付けるときにどのようなことを考慮しているのかを、ユニットバスマンションを例にとってご紹介します。
人気がないユニットバス物件
マンションに借り手がつかない要因としては、ワンルームであったり、洗濯機を置くスペースが部屋の中に用意されていなかったり、脱衣所が設けられていなかったり、和室のみの間取りになっていたり、旧式で不便な設備などが挙げられます。その中でも、「ユニットバス」仕様になっている物件は敬遠されがちです。
ユニットバスとは本来、あらかじめ成形しておいた浴槽や壁などを部屋に搬入して簡単に組み立てられるタイプの浴室のことを指し、施工する時間が掛からずコストも抑えられるため、一時期流行しました。
現在よくみられるタイプは、トイレまたは洗面台が一緒になっているタイプの浴室、もしくは浴室・トイレ・洗面台の3つが一緒になっているタイプです。これらのタイプのユニットバスは体を洗う専用のスペースがない、誰かが入浴している間はトイレが使用できない(逆もまた然り)、浴室とトイレが一緒だと落ち着かないなどの理由で、とくに女性からはあまり人気がありません。不人気に伴い、売却することもできないケースも多々見かけられます。
買取業者が不人気物件を高値で買い取る理由
業者の中には、ユニットバスのような一般的には不人気の物件を高く買い取ってくれるところもあります。このような買取業者は、基本的にリフォーム(老朽化した建物を修復すること)やリノベーション(リフォーム以上の大規模な改装を行って以前よりも価値ある建物にすること)をしてから再販売することを前提としています。
例えば、ワンルームマンションに間仕切りをして1DKに変えたり、ユニットバスをバス・トイレ分離型のものに交換したりします。買取業者には自社でリフォームやリノベーションを行える会社もあり、その場合は工事費を安くできるため、多少高値で買い取っても損はしないようになっているのです。
施工してより魅力的になった物件を買取価格より高値で販売、もしくは賃貸しすることで利益を出せるため、多少条件的に不利であっても高値で売却できる場合があるといえます。
買取に出した方が良いマンション
マンションを売る際は、業者に買取を依頼するか、仲介業者を介して売却するかの2種類の選択肢があります。しかし、なかなか買い手が見つかりそうにない物件を売りたいときは、買取業者に依頼する方が良いでしょう。
仲介業者を通すと売却できない物件でも、買取業者と直接交渉すれば売却が成立する場合があります。その際に、以下のようなポイントを押さえていれば買取に出した方が良いといえるでしょう。
築年数30年以上
30年以上前に建てられた物件は、現在の設備に比べて劣る部分ばかりです。現状のままではそのまま賃貸にも出せない物件は仲介ではなかなか売却できませんが、買取業者の場合は、リフォーム・リノベーションの余地があると判断されれば売却できます。
老朽化が著しい
単純に築年数が多いだけではなく、ペットによる引っかき傷、通常の掃除では取り除けないキッチンの油汚れ、家具による擦り傷などによって老朽化が著しい場合も仲介での売却が難しく、直接買取に出した方が良いでしょう。
おわりに
ユニットバスマンションのように、一般的には人気のない物件でも、買取業者によってはリフォーム・リノベーションを想定した上で買い取ってくれるところがあります。ユニットバスに限らず、マンションの設備や状態を見て、仲介業者を通さずに買取業者と交渉した方が良いかを決めましょう。