2017.08.07
マンション経営を行う際には、まず投資物件を手に入れる必要がありますが、十分な資金がない場合は銀行などから融資を受けて購入することになります。
投資用の物件は自分が居住するわけではないため、住宅ローンではなく不動産投資ローンの申し込みが必要です。不動産投資ローンは住宅ローンよりも審査が厳しく審査基準も異なるため、融資を受けるために重要なポイントを知っておいた方が良いでしょう。
そこで今回は、銀行はどのようにマンションなどの物件を評価するのかをご紹介します。
銀行からの融資を受けやすいマンションとは?
都市銀行よりも地方銀行の方が審査は通りやすいといわれるように、一般的に、融資のための審査基準は、銀行によって異なります。審査の対象は、大きく分けて「融資を受ける人物の属性」と「物件自体が持つ属性」の2つです。
まず、融資を受ける人物の自己資金が多く、年収も高ければ、それだけ融資を受けやすくなります。物件については、適切な管理がされているか、立地面などの評価は高いか、今後の収益が十分見込まれるかなどが審査対象です。
また、マンションの管理規約などが定められていない場合は融資を受けづらくなり、マンションを区分所有して投資を行う場合は、管理規約は特に重要なポイントになります。
銀行は以上のような事項を審査対象として、物件の立地や収益性の評価は「積算評価」と「収益評価」として数値化され、銀行が融資を行うか否かの判断材料の1つとしています。
積算評価とは?
積算評価とは、土地の評価と建物の評価を個別に算出して合計したものです。
土地の評価は、物件が面している道路に割り当てられた価格である「路線価」をもとにして計算されます。そして、路線価や広さ、用途地域、形状などを総合した価格が土地の評価額となります。また、建物がどの程度道路に面しているかも評価基準の1つになり、基本的に道路に面している面積が多いほど高く評価され、引き込み道路などで土地が奥に入っている場合などは低く評価される傾向にあります。
建物の評価は、物件を建てたときの平米単価、延べ床面積、築年数などを計算して算出される評価です。土地の評価と建物の評価を合計した積算評価は、物件の資産価値を表すものとして審査の材料とされます。
収益評価とは?
収益評価とは、投資物件に今後どのくらいの収益性があるかを判断するための数値です。将来的に家賃が安くなったり、金利が上昇したりする事態も考えて評価が算出されます。
収益評価の算出方法は銀行によって異なりますが、家賃などの収入から必要な諸経費を引いた上で、ローンの返済が可能かどうかを判断する方法が一般的です。
またマンション経営には「空室リスク」が伴うため、銀行が収益を評価する際にもある程度の空室が出ることを見越して算出されます。金利の上昇も考えられるため、想定される金利は現状の金利よりも高い金利です。例えば、空室が3割、金利の上昇リスクが2%と仮定すると、7割の部屋の家賃収入から経費を引いた金額が、現状の2%増しの金利で計算した返済額を上回っていれば問題ないと考えられます。
おわりに
銀行が物件を評価する際には、土地や建物自体の評価や、金利上昇リスクも見込んだ将来的な返済能力などが重要な審査基準です。
都市銀行は積算評価と収益評価を総合して評価することが多く、地方銀行は積算評価を重要視する傾向にありますが、最終的には各銀行によって重要視するポイントは異なります。特に、積算評価に重きを置く銀行であれば、投資先の物件を選ぶ際に評価が高くなるような物件選びをすると良いでしょう。